電磁波の特性を理解していくため、まずは最も単純な電気回路を見ながら電磁波発生と受信の仕組みを理解していきましょう。
るいネットから投稿 [1]を引用し、模式図で補完していきます。
まずは下記のクリックをお願いします。
電磁波を発生させる最も簡単な仕組みは、交流電源とコンデンサによって作ることができます。
●1.電界の発生
「コンデンサ」とは、2枚の電極を少しだけ離して置いたものだと考えてください。間には空気があります。このコンデンサに、まずは電池、つまり直流電源をつないでみます。
コンデンサの電極は離れていますから、電気は通しません。しかし、この時、2枚の電極には電荷が溜まります。電流は流れませんが、近接した電極に+-の電荷が蓄積された状態、「電界」が発生しています。ただ、この時は電流が流れていないので、静的な「電界」です。
●2.交流を流すコンデンサ
次に、コンデンサに交流をつないでみます。交流は、直流と違い、+と-が交互に切り替わります。
そうすると、コンデンサの2枚の電極に溜まる電荷も交互に変化します。変化する過程で、一瞬だけ、電極の電荷(例えば+)と異なる電流(例えば-)が繋がることで、一瞬電流が流れることになります。「一瞬」と書きましたが、交流において、電流の向きが変化するのも一瞬ですから、結果としては始終電流が流れていることになります。つまり、コンデンサは、直流は流さないのに、交流なら流すのです。
●3.電界の変化→電磁波の発生
さて、そうしてコンデンサに交流が流れている間、コンデンサにある2枚の電極の間には、直流の時と同様、やはり「電界」が作られます。
しかし、今度は電荷の向きが周期的に変化しますから、静的な電界では無く、電荷の向きが常に変化し続ける電界が作られます。
この電界が変化する状態が、磁界の変化を誘導します。すると磁界の変化が電界の発生を誘導する、という風に、電界の変化と磁界の変化が交互に繰り返し起こります。
これが電磁波発生の仕組みです。
電磁波受信の仕組み
次は、電磁波を受信する仕組みです。
空中には様々な波長の電磁波で溢れています。その中で、どうやって目的とする電磁波だけを受信することができるのでしょうか?
特定の波長(周波数)の電磁波を受信するため、受信機はコンデンサとコイルが並列に接続された回路(LC回路)を使います。
コンデンサは電気を蓄え電界を作る、あるいは直流は通さないが交流は通す、という性質を持ちます。そして同じ交流でも、周波数が高い交流ほどよく通し、低い周波数の交流は通しにくいという性質を持っています。
一方、コイルは(電線を巻いただけのものですから)直流でも交流でも通しますが、周波数の高い交流は通しにくく、低い交流は通しやすいという、コンデンサとは逆の性質を持っています。
受信機としてもっとも簡単な鉱石ラジオをモデルに、電波を受信する仕組みを解説すると次のようになります。
1.アンテナからは、様々な波長の電磁波が微弱な電流(交流)として入ってきます。
2.低い周波数の交流を流しやすいコイルがあるので、低い周波数の交流はアースへ流れてしまい、一定以上高い周波数の交流だけが回路の右方へ流れます。
3.高い周波数の交流を流しやすいコンデンサがあるので、高い周波数の電流はアースへ流れてしまい、一定以上低い周波数の交流だけが回路の右方へ流れます。
上記で「一定以上」と書きましたが、コイルの巻き数やコンデンサの容量を調整して、目的とする電磁波の波長に合わせ、「同調」させます。
4.このようにして「同調」した周波数の電磁波のみが交流となって回路の右側へ流れていき、例えばイヤホンから音として聞こえることになります。
以上が、電磁波を受信する仕組みです。
※画像は、コチラ [2]とコチラ [3]よりお借りしました。ありがとうございます。