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『次代を担うエネルギー・資源』火力発電の可能性4~日本の10電力会社比較(発電内訳)~

   
前回、『次代を担うエネルギー・資源』火力発電の可能性3~日本の発電の変遷~ [1]
では、日本の火力発電の歴史と、主たる発電方式の変遷を見てきました。そして、そこでは、単にエネルギーコストや効率や国家防衛課題(エネルギーの自給)とは、全くちがう位相からの問題提起がなされています。

  

「火主水従」への転換は、国産エネルギー路線からの、海外原油依存=国際石油メジャー・国際的な金貸し依存への転換なのです。

 

>「原主火従」への転換には、国産金融資本家(金貸し)「ロックフェラー
vs
ロスチャイルドの戦い」が背景にあったのです。

 

>サブガバメント組織をもう少し具体的に言うと、経済産業省(旧通産省)・文部科学省(旧科学技術庁)・これら官僚機構の所轄団体である、独立行政法人等(核燃料サイクル開発機構等)・経済産業省支配下の10電力会社の利害を共にする連合組織です。



では、今回からは上記の内容も踏まえて、日本の電力会社各社における火力発電の現状、各電力会社間の比較、そして火力発電における課題である「環境(大気)汚染」について調べてみたいと思います。

 

[2]
こちら [3]よりお借りしました。
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1.日本における火力発電の現状は?

 

まず、改めて日本の発電における水力、火力、原子力、その他(新エネ)の比率を確認してみます。

 

1)発電電力量の推移と構成

[4]
電気事業のデータベース(INFOBASE)  [5]より引用

79年の二度のオイルショックを経て「脱石油」を志向し、まず、LNG(天然ガス)、次いで石炭発電の比率が上昇していくことがわかります。さらには、70年頃から実用段階に入った原子力発電の急上昇が目につきます。
その結果、現在では、発電電力量において「LNG27.4%>原子力25.6%>石炭25.3%>石油等13.1%>水力7.6%新エネ>0.7%」という状況となっています。しかし、これを見ると「原主火従」というほど、原子力依存が進んでいるわけではないことがわかります。むしろ、原子力以上に、マスコミではそれほど報道されませんが、意外にもLNGや石炭の比率が高いことが目につきます。
次に地域毎にそれらの内訳を見ていくために、全国の電力会社の実態を見てみましょう。

2)全国電力会社の現状比較

 
電力会社概要(発電所数、最大出力、売上高、従業員等)

[6]
電気事業のデータベース(INFOBASE) [5]を元に作成(以下、統計グラフは同様)
経営状況の比較においては、なんといっても東京電力の巨大さが目につきます(概ね、全国の3割強の規模)。そして、関西電力、中部電力を加えた上位3社(大都市部)で売上高、発電電力量等も6割のシェアを占めています。

3)電力会社における発電比率

各電力会社における水力、火力、原子力等の発電比率をグラフ化してみます。

[7]
これを見ても、「原主火従」というキャッチフレーズとは別に、沖縄電力(火力100%)、中部電力(火力78%)を筆頭にまだまだ火力発電比率は高く、全国で見ても、火力61%を主力となっていることがわかります。

 4)火力発電における熱機関比率(汽力、ガスタービン、内燃力)



では、さらに、火力発電における熱機関の内訳を見てみます。

 

全国の火力発電の内訳


[8]
その火力発電の内訳では、現段階では、全国的には発電所数では48.6%、最大出力では98.7%が汽力発電となっています。よって、自給可能な熱源を考えるに当たって、まず、火力発電の大半を占める汽力の熱源内訳を見てみます。

5)汽力発電の熱源内訳

[9]
全国的には、「LNG 49%>石炭 33%>原油・重油 17%」となっています。つまり、火力発電約半分の熱源はLNGであり、「火力発電 61%→汽力 98%→LNG 49%」と、原子力や水力を含めた全発電量の29%をLNG火力に頼っていることになります。
[10]
※なお、唯一、沖縄電力のみは離島が多く、大規模になる汽力以外の内燃力、ガスタービンの比率も高いため、それらの熱源を含めると上記内訳になります(燃料の取り扱いなどの容易さからか、石油比率が高くなっています)。
そして、全国平均では、LNG 49%とありますが、より詳細に見れば、都市部と地方で主熱源は大きく変わってきます。
電力会社毎の汽力発電の熱源内訳を見れば、下記のように傾向が分かれます。

「LNGが主=東京電力 68%>中部電力 63%>関西電力 60%」 →都市

「石炭が主=北陸電力 88%>四国電力76%>北海道電力 75%」 →地方
石炭はもっとも安価かつ可採年数も長い燃料ですが、固体のため貯蔵や発電設備が大規模化するため、土地面積が必要となる。逆に、LNGはパイプラインさえ整っていれば、熱量も高く高効率で発電できる熱源となる。おそらく、その特徴が、都市と地方でこれだけ大きく熱源比率が変わっている原因かと思います。
LNGと石炭のそれぞれの課題と可能性については、改めて考えてみたいと思います。
次回は、全国の電力会社の経営実態に迫り、公共インフラともいえる電気を供給する民間企業には、誰が出資しているのか、その影響は?などについて考えてみたいと思います。読んでいただいてありがとうございました。

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