人口問題14 約7万年前に起こった人口激減
人類はいくつかの系統に枝分かれしながら増えていきましたが、現在は我々ホモ・サピエンスしかこの地球上にはいません 
そしてそのホモ・サピエンスの人口は60億人にも達していますが、個体数のわりに遺伝的特徴が均質です 
遺伝子解析によれば、現存するホモ・サピエンスは極めて少ない人口(千組~一万組ほどの夫婦)から進化した事が想定されています
様々な系統の種がそれぞれ進化し、拡散する中でなぜホモ・サピエンスだけが生き残ったのでしょうか 

出典:福井県立恐竜博物館
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●トバ火山の大噴火
7万年~7万5千年前にインドネシア、スマトラ島にあるトバ火山で大噴火が起きました 

出典:ウィキペディア
過去200万年で最大級の噴火により、広い範囲で地下水が噴出し地盤が沈下、大量の火山性の硫黄が東南アジア、南アジアを中心に、ベンガル湾を超えてインド、パキスタンにも厚く降り積もり重大な森林減少をもたらしました
また大量の火山灰が日光を遮断し、地球の気温は平均5度減少、大陸上で進行していた氷河を加速させ、この激的な寒冷化は約6千年間続いたとされ、その後も気候は断続的に寒冷化するようになりヴェルム氷期へと突入します
このヴェルム氷期は約1万年前まで続き人類が最後に経験した氷河期で、現在は次の氷河期のあいだの間氷期にあたります 
この急激な環境外圧の変化により様々に枝分かれしていた種は絶滅し、生き残ったのはネアンデルタール人とホモ・サピエンスのみで、ホモ・サピエンスの人口は1万人以下に激減しました
この人口減少による少数個体の遺伝子型の引き継ぎが、現在の遺伝的特徴が均質である事の原因とされています 
●ネアンデルタール人とホモ・サピエンス
何故ネアンデルタール人とホモ・サピエンスだけが生き残ったのでしょうか 
ネアンデルタール人は洞窟で生活し炉を作りその周辺で道具作りや食事、調理を行っていました 
また寝床を作り死者には花を手向ける程の共認機能と観念機能を持っていました 
そして彼らの身体的特徴の一部は、寒さに適応した構造となっていました
彼らの大きな鼻は、乾燥した冷たい空気を吸い込むとき、鼻の内部の粘膜から適度な湿度を与えるのに都合が良かったと考えられています 
彼らの前腕と下腿は短かったのですが、これは現代人の中でもシベリアの北方民族などに認められるもので、同じグループの動物では寒冷地に住む集団ほど四肢の遠位端(人間の前腕と下腿に相当する部分)が短くなるという、アレンの法則と合致するものです
寒い地域では、四肢を短くした方が身体の体積当たりの表面積が減り、体熱を失いにくい利点があるのです 
ネアンデルタール人は共認機能と簡易な観念機能と身体能力(本能)でこの急激な環境変化を乗り越えました 

(出展:ナショナルジオグラフィック)
ホモ・サピエンスも同様の生活をしていましたが、ネアンデルタール人よりも華奢で寒さに適応した身体的特徴も無く、乳幼児期をゆっくり成長していく子供は平均気温が数度下がっただけでもその時期を通過するのが困難でした 
ネアンデルタール人のような身体能力が無いホモ・サピエンスは、弱者であったがゆえに、この環境外圧に適応する為、観念機能に磨きをかけたのではないでしょうか
洞窟の壁画はネアンデルタール人の洞窟からは見つかっていません 
人に寄生するアタマジラミと衣服に寄生するコロモジラミの遺伝子研究の結果、衣服を着るようになったのは7万年前であるとされています 
ホモ・サピエンスは共認機能、観念機能を発達させ道具を進化させ、なんとか生存域を見つけ出し乗り越えていったのです 
●ホモ・サピエンスの拡散へ
つまり観念機能が未熟で道具も未発達な他の種は自然外圧に適応出来ず絶滅してしまいました 
そしてネアンデルタール人もホモ・サピエンス程の観念機能は無くその後過酷な環境の中、絶滅していまいます
一説にはウイルスが関係していたとも言われています 
アフリカを最後に出たホモ・サピエンスは病原体とも日々闘っており免疫機能を獲得していました
ホモ・サピエンスは拡散過程で他の人類種と接触した可能性があり、免疫機能を持っていない人類種は持ち込まれた病原体によって絶滅したしまったと考えられます 
弱者ゆえに観念機能を進化させて急激な環境変化に対応していったホモ・サピエンスはその後の氷河期においても更に観念機能を進化させていき氷河期の終わり頃に、
弓矢を発明します
弓矢により防衛力、生産力が上がり、気温が暖かくなると共に人類は生活環境を洞窟から外に移します 
人類のとっての転機である弓矢の発明はどのようにして起こったのか次回見ていきます 
参照:
ウィキペディア
「130507 人類の絶滅~なぜホモサピエンスだけが生き残ったか?谷崎俊文 」
「130722 人類が一種(新人=ホモサピエンス)だけしか残らなかったのはなんで 田野健 」
「126146 クロマニヨン人(ホモ・サピエンス)はネアンデルタール人よりもさらに弱者だったのでは? 大森義也 」
「126449 ネアンデルタール人の身体的特徴 多田奨 」