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人工物質が肉体を破壊してゆく その3 グルタミン酸ナトリムの危険性を探る

遺伝子組み換え食品につづいて、人工食品・人工物質について扱ってみたいと思います  
  
ご存知のとおり現在わたしたちが毎日食べている食品には、食べ物をおいしくする為にいろいろな添加物や人工調理料が含まれています。今回はそんな人工調味料の代表=うまみ調理料・グルタミン酸ナトリウムについてのお話です :D 
 
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グルタミン酸ナトリウム(うまみ成分)の発見のもとになったダシ昆布 
 
食卓では最近あまり見かけなくなりましたが、味が濃くなる、うまみが増すといった理由から、ほとんどの加工食品や外食産業では今でも好んで使われています。入れるとうまみが増して美味しくなる人工調味料として普及していますが、体によくないとも言われていますね。今回は、その是非を問う前にグルタミン酸ナトリウムを摂取するとなぜ、人間の味覚はそれをおいしいと感じ取るのか?を先ず押えて行きながら問題の本質に迫りたいと思います。 
 
そもそも私たちにとっておいしいって、何なんでしょう?  
 
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私たちにとっての味覚って? 
 
味覚の5要素は甘味、塩味、酸味、苦味、そして旨味です。 
 
これはそれぞれ、味蕾という舌の上にあるツブツブで味覚ごとに専属機関で感知されます。甘味は栄養分、カロリーの多さを、塩味はミネラル分を感じるセンサーで、積極的に摂取する対象を感知します。酸味は食べ物の腐敗に対する、苦みは毒物に対するセンサーで、忌避すべき対象を感知するためにあります。特に苦みは一つの味蕾で数十種類の異なる物質の苦みを感じ、多くの毒物に対応できるようになっているわけです。  
 
このように私たちにとって味覚とは、体の維持に必要な物質を外部から取り入れる為のセンサーの役目を果たしています。つまり、体にとって取り入れる必要のある物質か否かの判断を下しているのが味覚の役割なのです。 
 
  
グルタミン酸ナトリウムがおいしいのは何で? 
 
美味しいと感じる食べ物は本来、体に必要なものです。 
 
その中でもとくに必要度が高く、私たちの活動や肉体維持に不可欠である糖・脂質・アミノ酸(たんぱく質)の三大要素はその必要度の高さから、脳に直接刺激を与え、特に味覚上おいしく感じられる仕組みになっています。(脂は味覚と違い、「味」としてはありませんが、同様に舌の奥の方で感じることが出来ます。) そしてこの中のアミノ酸の中に、グルタミン酸等のうまみ成分があります。味覚上、このうまみ成分であるアミノ酸=グルタミン酸ナトリウム等が味蕾で知覚されると、重要必須成分であると脳が判断し、私たちは特においし~く感じる=重要必須成分GET~!!ということになるわけです。
 
つまり、体にとって重要な必要成分をみごと獲得した時のご褒美が「おいしい~!」という私たちの充足感覚なのです☆  
 
さて、そのグルタミン酸ナトリウムについて、残念ながらこのような指摘があります。 
 
 
14456 味の素の危険性 山名宏明   るいネットからの引用です


端野さん、こんばんは。 
 
>もっとも、化学調味料が蔓延していく過程には、市場の拡大が密接に関わっているので、有害だということがはっきりしないことには、使用禁止などとはならないでしょうが・・・。
 
 
ちょっと調べたら、こんな記事が見つかりました。 
 
 
 昭和30年代の話らしいですが、なんと世界保健機関(WHO)の専門家委員会が出している報告書にグルタミン酸ナトリウム(化学調味料の主成分)の一日摂取許容量(ADI)が設定されていたようです。特に生まれて二カ月までの乳児には与えてはいけないとなっていた・・・と。
しかしこれは味の素にとっては致命的なものであり、WHOの委員のうち企業の人間の必死の働きかけでWHOの報告書から消えたようです。 
 
こんな研究結果もあります。 
 
 
 ワシントン大学のジコン・W・オルニ-博士は、グルタミン酸ナトリウムを生まれて間もないネズミに飲ませると目の網膜に異常が起きるというルーカス博士たちの報告をもとにその原因を究明する研究をしていました。この研究中にグルタミン酸ナトリウムを与えられたネズミが異常になっていることに気がついたのです。原因はグルタミン酸ナトリウムのために脳下垂体という成長や性成熟に関係する重要な脳の器官がやられていたためだったようです。これ以外にも肝臓や卵巣、子宮や副腎にも異常が認められたようです。この異常はマウスの他にもラット、ウサギ、ニワトリ、アカゲザルなどでも確かめられたとされています。 
 これにより、アメリカ人にグルタミン酸ナトリウムを拒否させることになりました。アメリカでは、ベビ-フ-ドからグルタミン酸ナトリウムがなくなり、そして、味の素はアメリカに工場進出できなかった。
 
これは・・・使用禁止に値すると思うのですが。

 
結論を急ぐ前に、事実を押さえ自然の摂理を理解した上で、どうなのかを考えてみたいと思います。  
  
さて、上記はグルタミン酸ナトリウムの危険性について述べられているのですが、その危険性の指摘と同時に、一方の事実として現在では上記のグルタミン酸ナトリウムの問題性は撤回され、ラットの実験についても、普通ありえない程の過剰投与による実験の障害であったことが研究機関によって確認され、制限は解除されています。もちろん現在では、アメリカにもグルタミン酸ナトリウムの工場が出来ています。また、現在では昔の化学的合成から製造方法が変わり、バイオ生成によりサトウキビやとうもろこしから細菌により分解・生成されグルタミン酸ナトリウムはつくられています。 
 
グルタミン酸ナトリウムは危険なのでしょうか?安全なのでしょうか?分からなくなってきました。では、そのグルタミン酸ナトリウムをを少しほりさげてみます。 
 
 
そもそもグルタミン酸ナトリウムって?   
 
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グルタミン酸ナトリウムの組成
そもそもグルタミン酸はアミノ酸の一つで、単独でも肉や魚、野菜等あらゆる自然の食品や私たちの組織や血液中に広く存在しています。ダシ昆布の表面の白い粉にグルタミン酸ナトリウムが豊富に含まれているのは有名ですね。つまり私たちが全く摂取しないことは不可能な物質です。さらには、私たちの体のたんぱく質を構成したり神経伝達物質としての必須アミノ酸として、グルタミン酸は私たちの体の維持には必要不可欠の物質でもあります。 
 
 
人体に必要不可欠だが、純粋物質としては天然食物から摂取されない物質 
 
ただし、(ここがポイントです)天然食物から摂取するグルタミン酸ナトリウムは殆どが蛋白質の形で存在、もしくは複合的な分解物として蛋白質表面に微量に付着する形で摂取され、純粋なグルタミン酸ナトリウムとして摂取することは殆どありません。したがって、天然食物に含まれるごく微量のグルタミン酸=必須物質を知覚するために、感度を高めたグルタミン等、各アミノ酸専用の知覚センサーを舌の味蕾に装備している程なのです。(余談ですが、この繊細な味覚がダシの文化である日本の和食文化の根幹にあったんですね  
 
 
私たちの体の消化吸収のしくみ 
 
ここで、グルタミン酸ナトリウムの問題とは、その物質そのものより天然の食物と異なるその純粋物質性にあるのではないか?という疑問が沸いてきます。はたして天然食物による摂取と純粋物質による摂取で、私たちの体への影響の違いはあるのでしょうか?
 
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あらためて、私たちの体の消化吸収のしくみを簡単に押さえなおしてみます。 
 
1)口…食べ物をとり入れ(摂取)、かみ(咀嚼)、唾液と混ぜて飲み込む
2)胃…摂取した食べ物をかゆ状に消化、胃液によってたんぱく質を分解
3)十二指腸…膵液、胆汁を混ぜる
4)小腸…大部分の栄養素を吸収
5)大腸…未消化物(主に食物繊維)を微生物によって分解し、排泄
 
 
消化器官は、それぞれに運動しながら各々の消化液の働きによって、摂取した食べ物を小さい分子に分解していきます。大部分の栄養素は小腸で吸収されます。栄養素の多くは毛細血管から肝臓に集められ、必要に応じて静脈から心臓を通って全身へ運ばれます。一方、脂質はリンパ管から静脈を通って同様に全身へ運ばれます。 
 
<参考・引用サイト>食べ物の消化・吸収と代謝(1)消化吸収の過程http://www.ncvc.go.jp/cvdinfo/Sick/buhin2_03.html [4] 
 
 
私たちの体は、消化プロセスによって必要物質の吸収量をコントロールしている 
 
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私たちの体の構成物質は基本的にバランス(恒常性)が維持されています。 
 
それは、常に体内情報をもとに必要なものを取り込み、不必要なものを排出することによって営まれています。必要な物質をどのぐらい分解し、吸収するかは各々の消化器官の段階で消化液の量で調節し、不要であれば必要以上の消化・吸収をしないことも行われています。つまり、これは分解・吸収といった事以外に各々の段階で必要吸収量の判断機能が常に何段かにも働いているということです。 
 
このように体内情報と照らし合わせた消化・吸収のプロセスによって、必要な要素が必要なだけ体に吸収されることによって私たちの体はバランスしているのです。 
 

 
純粋物質の危険性とは消化プロセスを必要としない物質であること 
 
さて、人工物質=純粋物質の場合はどうでしょうか?はじめから極細に分解されている純度の高い物質です。事前に小さく分解された物質は複雑な消化・吸収プロセスを経なくても早い段階で直接体に吸収されてしまいます。 
 
したがって、体内情報と照らし合わせた判断なしに一気に体に取り込まれることになるのです(血中濃度の急上昇等を引き起こす等)。また、単体物質であるがゆえに、味覚段階で判断された物質(=食べ物の味覚)から想定される通常の摂取物質とのズレも生じます。(通常は知覚された物質以外に多くの必要物質が組織化されて含まれている)つまり、純粋物質は私たち体の判断機能を介さずに吸収されてしまうのです。 
 
このように、純粋物質は体の体内情報をもとにした吸収判断(=消化・吸収プロセス)を無視・麻痺させた形で、体に無造作にとりこまれることによって、バランスを大きく崩してしまう危険性を孕んでいるのです。
 
  
あらためてグルタミン酸ナトリウムの危険性を考える 
 
グルタミン酸ナトリウムは、現在では化学合成ではなくバイオ生成で作り出されていますが、その純粋物質性は同様です。したがって純粋物質としての判断無用の吸収力を持っています。また、グルタミン酸ナトリウムは必須アミノ酸であるが故に、過剰の麻薬性(おいしさ)を持ち合わせています。 
 
おいしいからたくさん入れる→体内状況を無視した吸収性→過剰摂取→体のバランスが崩れる
 
というサイクルこそが危険の正体なのではないかと考えられます。 
 
純粋物質の危険性はグルタミン酸ナトリウムに限った話ではありませんが、私たちの体の摂理・食の摂理(=自然の摂理)から逸脱した人工物質=純粋物質の摂取は、思っている以上に私たちの体にとって吸収量の歯止めが効かない危険な物質であるという事なのです。 
 
これは体に不可欠な物質でありながら、純粋物質化すると思いがけない問題が生じるということです。これが、体に不要な添加物だったり防腐剤が純粋物質だったりすると、その危険性と問題性は計り知れません。 
 
 

  
必要物質=おいしいからといって過剰摂取はどんな物質でも悪影響を体に及ぼします。そのために私たちの体は味覚・消化・吸収の安全装置=仕組みを作り出してきたわけです。この安全装置を無効にする純粋物質の使用(とくに麻薬性の強い=おいしいもの)には、その摂取量については日頃から細心の注意が必要ですね 😛

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