- 地球と気象・地震を考える - http://blog.sizen-kankyo.com/blog -

【人口問題】5~共認態サルの増加は、「自然の摂理」を超えた繁殖といえるのだろうか?(3)

 前回の「【人口問題】4~共認態サルの増加は、「自然の摂理」を超えた繁殖といえるのだろうか?(2) [1]」では、共認機能 [2]を獲得し、集団を組めるようになった真猿が再拡大(個体数増加)していったことを確認しました。では、「個体数増加の具体要因は何か?」を今回、明らかにしていきたいと思います。まずは、原猿と真猿の身体的特徴の比較を。

■原猿から真猿への進化 ~身体的特徴~
◆6500万年前 原猿類がモグラやヒミズなどの食虫類から分岐・進化
①樹上で果実や昆虫を食べる、②夜行性で小型(2㎏以下)、③他の哺乳類と共通な特徴を数多く保有(ex.長く湿った鼻、大きな可動性のある耳、体には匂いを出す特殊な腺)、④視覚より嗅覚に頼る、⑤単雄複雌婚(雄1:雌3の縄張り)
[3]
◆5000万年前 真猿類がアフリカ熱帯雨林で誕生
原猿類と真猿類の違いで重要なのは、
植物食を取り入れる(果実、葉、樹皮)、②昼行性で大型化、③真猿~霊長類に特有の特徴を持つ(正面に二つに並んだ眼窩、表情が豊か、大脳新皮質が進化→これらは共認によって集団を組むために必要)、④嗅覚から視覚へ(果実や若芽を採食するようになる→色彩認知のために色覚必要、枝と枝の距離感を図るためには立体視能力が必要)、⑤首雄集中婚(首雄と雌達の生殖集団の周囲に雄達の闘争集団)
[4]
写真出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
※なお、写真は現存の原猿、真猿類のものですので、進化途中の原猿、真猿の参考イメージです。

 では、続きに行く前に応援よろしくお願いします。


■真猿段階での個体数△要因
Ⅰ.親和充足による個体数△
 原猿段階では雄同士はお互いに敵であり、単独で縄張りを形成しています。個体間の距離が縮まれば、極度の警戒心によって不全を上昇させる。
 そのため、本能混濁から親和本能を強化→生闘争本能を解除→依存収束⇒期待収束と変化することで最終的には集団を組める真猿へと進化した。
 これによって密集しながらも警戒心による不全も軽減(むしろ相互に充足を与え合うことができるようになった)することによって、一定の縄張り空間に適応して生息することのできる個体数は増加する。
 また、本能態の段階での「個体数△→不全△→共食いや疫病の増加→個体数▼」といった個体数の減少を防ぐことができたといえます。
 個体としての身体機能的に見ても、共認充足を得られることでの免疫機能アップによって病気への対抗力も上がっていることも生存率を高めることにつながります。ただし、これだけでは個体数は横ばいあるいはゆるやかな個体数△といった程度にとどまったと思われます。

<参考>
「群」の重要性 [5]
・「群」は「免疫力」が上昇する。
・群れることで、外敵圧力に対するストレスが弱まり、免疫細胞が活性化すること。
・群れることで、ウィルスや病原菌が群全体に繁殖→その分抗体製作スピードが上がると言うこと。

Ⅱ.同類闘争での戦力△→個体数△の必要性を共認
 真猿はさらなる環境への適応力の進化によって、原猿段階からさらに環境外圧限界まで個体数を拡大していきます。そして、外敵闘争圧力や自然圧力よりも同類闘争圧力を主とすることになります。
 そして、ほぼ同じ体格の同種同士であれば、同類闘争での勝敗を決するのは「(オスの)成員数」となる。
 よって、真猿集団では、より集団規模(個体数)拡大への期待共認が生まれることになります。
 つまり、同類闘争圧力の上昇が個体数△(集団規模拡大)の大きな要因となっているといえます。
Ⅲ.共認機能による食と生殖の進化=個体数△
①闘争共認による縄張り域と食性の拡大(=食糧の増加)による個体数増加
 同類闘争で勝つために集団規模拡大していくにあたり、課題となるのはその集団が生きていくための食糧をどう確保するかということです。
 つまり、「同類闘争圧力△⇒勝つために集団規模△(個体数△)→既存の縄張りや食性では食糧不足⇒(どうする?)縄張り域と食性の拡大(=生産力△)」という流れになります。
 また、集団を組んで役割分担が可能になると、見張りを立てて外敵からの攻撃を察知することができるようになります。このことによって、それまで(原猿段階)の夜行性から昼行性へと移行することができるようになった。それによって、「餌場の拡大=森林の樹冠部を占有していた鳥の領域へ進出」が可能になる。それに伴って原猿までの昆虫食から、真猿では果実や樹皮、葉などの植物食へと食性を変化させていきます。
 獲得が不安定かつ少量の昆虫食から、ほぼ年中を通して存在し入手が容易な植物食へと適応していくことで、同じ環境に生存できる個体数を増やすことができます。
 そして、共認態であるサルはこれを共認によって組み替え、集団で継承していくことが可能となりました(DNA組み換えよりもはるかに早く適応できる)。
 ちなみに、現存のニホンザルの研究でも、宮崎県幸島のニホンザルはイモを海水で洗って食べたり、他の地域のニホンザルには見られない魚を食べる習性を持つようになったりしています(共認による食性の変化適応)。
②共認機能による生殖機能進化=出生数△+死亡数▼
 真猿段階では、同種同士の同類闘争が主となるため、戦えないメスは役割不全に陥る。その結果、サルの雌は自らの存在理由欠乏をかけて首雄からの性的気期待に応えるため、自らを徹底した生殖存在と化していった。
 そして、原猿が季節発情、交尾排卵であった性機能を、真猿では通年発情、自然排卵へと生殖機能さえ進化させていった。
 それによって、性は単に生殖のためだけでなく、雄雌解脱の性的充足のための機能も併せ持つようになる。『本能による性から共認による性』へと進化したことによって共認充足を高めることが、生殖機会△や不妊▼による出生数△にもつながり、かつ、流産などによる死亡数▼となり、結果として集団個体数△の要因となる。また、それ以外にも同類闘争で勝つための多産期待共認も生まれる。

<参考>

「実現論:ホ.サル時代の雌雄分化」

・本能に基づく外敵闘争なら、メスも闘える。例えばライオンの雌はシマウマを倒せるし、サルの雌もリスを蹴散らせる。ところが、本能に基づく外敵闘争ではなく 闘争共認に基づく同類闘争になると、同じサル同士の闘いなので体格が劣るメスは全く戦力にならない存在となり、存在理由を失って終う。その結果、メスは極度に依存性を強め、首雄に強く依存収束する(強固な依存収束回路を形成する)と共に、首雄の性的期待に応望すべく、自らの全存在理由をかけて性機能(挑発 機能や発情機能)を発達させてゆく。
「性周期と排卵要因、その1(哺乳類は特殊)」 [6]  
・全ての生物の排卵の第一要因は、外部刺激(自然環境や外敵状況)
「性周期と排卵要因、その2(サル・人類は特殊)」 [7]
・サル人類以前の動物は外的刺激が感覚系を刺激しそれが性本能のホルモン系を刺激してそのホルモンに支配された性システムであるの対し、サル・人類の性本能 はヒト型の排卵を促し繁殖に備えるが、強い期待や応合の思念は、その本能(ホルモン系)さえも無効にしたり、周期を変えることができるということ。 それほど、人類にとって共認や観念が命綱ということでしょうか。

【ここまでのまとめ】
原モグラ:本能態=地中という生息域で環境限界まで個体数△
・性闘争本能の強化

原猿初期:本能態=樹上という生息域で環境限界まで個体数△ 
・足親指の対向化=枝をつかめる→樹上世界へ適応 
・食△+外敵▼→環境限界まで繁殖
・縄張り周辺の死ねない若猿と、絶えざる縄張り侵犯に緊張△のボスザルの「本能混濁」

原猿後期:共認態への移行期=樹上という生息域の環境限界ぎりぎりでゆるやかに個体数△
・親和本能を強化し、お互いに依存収束
・相手の期待を看守し、期待収束。相手の期待=課題を同一視できるようになる。
・親和共認によって免疫力△→急激な個体数減少を防ぎゆるやかに個体数増加
・仲間プラス、縄張り闘争プラスへと「+共認」収束することによって遂に闘争集団を形成

真猿:共認態=樹上という生息域でさらに外圧適応して再度個体数△
・同類闘争圧力△→集団規模(個体数)拡大への期待共認
・闘争集団における雌の生殖存在化→生殖機能の進化→出生数△+死亡数▼=個体数△
・共認によって縄張り域(夜行性から昼行性へ、鳥類の餌場=樹冠部への進出)と食性の拡大(昆虫食から植物食へ)
・再度、環境限界まで個体数(集団規模)拡大へ
 注目すべきは、真猿段階から個体数増加の最大要因は「同類闘争圧力」であるということです。
 この「同類闘争圧力△→個体数増加圧力△→(食糧)生産性△」という関係は今後の人類における人口増大を考察する上でも重要な認識となるといえます。
 なお、次は補足論点として、「本能態におけるアポトーシスとの関係は?(全体が生き残るための細胞の自殺)」「ニホンザルの個体増加要因は?」の2つを番外編(コラム)として考えてみたいと思います。
 そして、いよいよ最後にこの「真猿段階における個体数増加(=人口増加)は果たして自然の摂理を超えていたといえるのかどうか?」というメインテーマに迫りたいと思います。
 最後までおつきあいよろしくお願いします。

[8] [9] [10]