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排出権取引価格暴落~グリーンニューディールへの指摘~

Posted By y.suzuki On 2009年4月2日 @ 11:52 PM In G.市場に絡めとられる環境問題 | 12 Comments

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http://www.joi.or.jp/carbon/h_index.htmlより引用

日経・JBIC排出量取引参考気配は、国際協力銀行(JBIC)と株式会社日本経済新聞デジタルメディアが毎週月曜日に公表している排出量取引の価格気配動向です。これは、バークレイズ・キャピタル証券株式会社、エコセキュリティーズ日本株式会社、フォルティス銀行、JPモルガン証券株式会社、丸紅株式会社、ナットソース・ジャパン株式会社、オルベオ/ローディアジャパン、住友商事株式会社の8社(アルファベット順)の協力の下、国連が発行した排出量を日本市場で一定量売買する場合の気配値(円ベース)を各社から得て算出の上、公表するものです。

上記でも暴落が一目瞭然ですね。しかも、取引が成立せずに気配値としているのが実態です。上記サイトで定期的に公開されていますが、このブログでも、動きがあれば随時お伝えしていきたいと思います。
 さて、今回はこの排出権取引とグリーンニューディール政策との関連を探っていきたいと思います。
その前に、


 まず、前回の記事をおさらいしておきます。
 地球温暖化が問題視され、「京都議定書」が発効されましたが、その実態は排出権取引で一儲けしようとしている投資家に規定されているのでは?という提起をしました。
■今回の排出権取引の暴落原因は

金融破たん
 ↓
需要激減による生産縮小
 ↓
CO2を排出しなくなるので排出権を買わなくなる
 ↓
価格大暴落

過剰な生産が減っても物不足などはおきていません。むしろ、活力を失うという失業問題が浮き彫りになりました。
 大量生産からの脱却=市場縮小は環境問題を解決していく課題です。
 市場原理からの価値判断では過剰生産とならざるを得ませんが、物がいきわたればそう簡単には売れなくなります。そこで国家による補助事業などの補填で無理やり市場拡大をしてきました。それでも売り上げは伸び悩むので、ほとんどの企業は金融市場で資産運用を図ることとなります。そして、国家による資金管理と金融市場での取引機能を融合させたものが、この排出権取引なのです。
 
■排出権取引の構造は博打そのものだから暴落する!
価格変動要因については、純粋に市場原理によってたっていることを「エコロジーという洗脳」副島氏著で述べられていますので再掲します。

①投資家が今後は景気が低迷するので、相対的に国と企業のCO2排出量も減少すると予想すれば、投資家はCO2排出権を購入しませんし、既にCO2排出権を保有していたとしたら売却するので、CO2排出権の市場価格は下落します。
②CER(Certified Emission Reductions)は、購入者が京都議定書で排出削減義務が課せられている先進諸国に限られるので、現在進行中の金融危機のように先進諸国の国家財政が悪化し、発展途上国向けCDM(グリーン開発プロジェクト)の支援中止を発表すれば、直ちに暴落します。
③京都議定書でCO2排出削減量を割り当てられている国から、二酸化炭素排出量が割当量を下回ったという統計データが発表されただけでも、市場取引価格は直ちに暴落します。また個々の国のCO2排出量統計データは、当然個々の国の政府機関がデータを管理しているので、政府が恣意的に低いCO2排出量データを発表することによって暴落する可能性もあります。
④基本的には、CO2排出権の市場価格とは景気に敏感に連動する債権なのですが、例え自然変動による地球温暖化が進行していようとも、すでにアメリカで行われている地球温暖化CO2悪玉説に対する裁判で、CO2悪玉説反対派側が勝訴すれば、一気に紙くずとなる可能性すらあります。
⑤例えCO2悪玉説が誤りであることが学問的に証明されなくても、世界のCO2排出量の約半分を占めているアメリカ・中国・インドの3カ国が「ポスト京都議定書」を締結しないことが確実な情勢になった時点で、現行の「京都議定書体制」が崩壊するので、「ポスト京都議定書」の準備会合が決裂したという報道があった瞬間に、CO2排出権価格は暴落します。
⑥気候が温暖化するということは、夏場の最高気温に大きな変動は無いが、冬場の最低気温が高めになる傾向が表れるということなので、冬場の暖房用に消費する化石燃・の消費量減少に繋がるので、既に地球は寒冷化サイクルに突入していますが、EU諸国の地域だけは温暖化傾向が続けばEUAとCERの市場価格は下落します。
⑦そして最も肝心な点は、CO2排出権価格とは有効期限が切れたら無価値となる債権なので、期限切れが近づくほど価格は下落する性質の債権だということです。
 上記以外の価格下落要因もあると思いますが、CO2排出権価格の変動要因などは、この債権の売買のメインプレーヤーでもある金融ブローカー達は当然熟知しています。

■背後にはグリーンニューディール政策を打ち出した勢力がいる?
 グリーンニューディール政策の概要はウィキぺディアにまとめられています。http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B0%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%83%AB [1]

2008年7月21日にグリーン・ニューディール・グループが発表し、新経済財団(NEF、New Economics Foundation)により出版されている報告書、もしくはその内容に沿った政策の名称である。地球温暖化、世界金融危機、石油資源枯渇に対する一連の政策提言の概要が記されている。報告書は、金融と租税の再構築、および再生可能エネルギー資源に対する積極的な財政出動を提言している。 2008年後半からの世界金融危機などへの対応のため、世界各国でこれに沿った政策が検討もしくは推進されている。
 
主な政策は、
・省エネルギー技術とすべてのビルを発電所に変えるマイクロジェネレーション(マイクロ発電)技術への 政府主導の投資
・低炭素社会基盤構築を可能にする数千人規模のグリーンジョブの創出
・石油・ガス業界の利益に対してたなぼた利益税(Windfall profits tax、ノルウェーで導入済)の導入に よる再生可能エネルギーと省エネルギーに対する財政出動の原資確保
・環境投資と省エネルギーのための金融面でのインセンティブの創出
・イングランド銀行の金利低減を含む、環境投資をサポートするための英国金融システムの変更
・巨大な金融機関である「メガバンク」のより小さなユニットへの分割とグリーンバンキング化
 国際金融システムの再構築:金融セクターが経済すべてを支配しないことを保障(資本管理の再導入 を含む)
・デリバティブのような新しい金融商品に関する公的監査の強化
・財務報告書の提出要請と租税回避地の取り締まりによる法人税脱税の防止
 最も特筆すべきは、 国際連合環境計画(UNEP)による採用である。2008年10月22日、UNEP事務局長アキメ・シュタイナーは、ロンドンで「グローバル・グリーン・ニューディール」と呼ばれるグリーン経済イニシアティブを発表した。グリーン・ニューディール・グループと同様に、UNEPイニシアティブはグリーンジョブの創出とグローバル経済システムの再構築による化石燃料への依存低減を提唱している。

 Co2温暖化説や石油の枯渇については事実かどうか決着はついていません。なにより、具体的な環境問題などの生存課題に対しての言及がありません。
 そして、これらの政策を実行していくには、国際規模での管理が必要となります。国連のUNEPがいち早く採用したのもうなづけます。しかし、国連を隠れ蓑にした金融勢力が世界規模での支配構造を作るためのものであるとの疑念は消えません。特に政策の後段の部分ではそれが濃厚に出ています。単に「集金システムをこうしましょう」という仕組みについてのべているに過ぎないからです。
 結局、グリーンニューディールとは、環境対策をネタにした市場原理の延命策に過ぎない代物です。
■排出権取引では環境はよくならない
市場原理とは、すべての価値を価格に転化しその他のことを一切考えなくしてしまうものです。CO2排出権取引やグリーンニューディール政策などは、まさに市場原理によってたっています。これでは環境をはじめとした生存課題は解決しません。安易にこの政策に同調すべきではありません。むしろ、その「集金システム」自体を根こそぎ廃止することが必要です。
(p.s.雑草Zさんに同感です)


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