こんばんは。
昨今、事故米や中国のメラミン混入等の食料に関する安全性、さらには自給率の低さに関する危機感の広がり等、今日の日本で、食の問題が日常の話題として取り上げられ、注目されることが多くなりました。
また、昨年末のなんでや劇場 [1]でも、現在の経済破局に対する突破口として鎖国経済モデルが提示され、食の問題についても、現代のような輸入に頼った食生活を改め、日本国内で栽培された食料を摂取する閉鎖系の生活、そのためには、かつて日本人が食してきた日本型の食生活、和食への転換が重要な方策として挙げられていました。
このような、現在の状況下の中、私達日本人が、いったい何を食べて今日に至っているのか、その歴史的な変遷を押さえた上で、日本人の食に関する可能性を探り出して行きたいと思います。
また、歴史上各時代における食が、当時の日本人にどのような影響を及ぼし、現在に繋がっているのかなども、同時に考察していければと考えています。
具体的には、次の3段階程度の構成イメージで、今回シリーズのテーマ追求を考えています。
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■1段階目のテーマ
まずは日本人の食生活の変遷について、その歴史的な事実関係を歴史を遡って、時代ごとに押さえていきたいと思います。
食生活の変遷について参考にさせていただく書籍として、「日本食生活史」渡辺実著を考えています。
この本の中では、食生活の時代区分を下記の様に区分しており、この時代区分で毎回2~3区分を紹介していく予定です。(11は、私の方で追記した区分)
1.自然物雑食時代(日本文化の発生-紀元前後) 縄文時代
2.主食副食分離時代(紀元前後-7世紀) 弥生・古墳時代
3.貴族食と庶民食の分離(唐風模倣時代) 奈良時代
4.型にはまった食生活 平安時代
5.簡素な食事(和食発達時代) 鎌倉時代
6.禅風食の普及(和食発達時代) 室町時代
7.南蛮・ジナ風の集成(和食完成時代) 安土・桃山時代
8.日本料理の完成(和食完成時代) 江戸時代
9.欧米食の移入(和洋食混合時代) 明治・大正時代
10.戦中・戦後復興の食事(和洋食混合時代) 昭和時代
11.現代の食事(飽食の時代) ’70以降・平成時代
■2段階目のテーマ
1段階目では、食生活の歴史的変遷を時代毎に見ていきますが、次は時代を貫通する縦軸の視点で見ていく予定です。(但し、1段階目の歴史的事実関係を追及していく中で、テーマが変わっていく場合もあります)
現在、考えている主なテーマは、
・主食はいつどの様に生まれ、定着していったのか?
・肉食は何をどのように食されてきたのか?
・野菜はいつごろどこから渡来し、日本に定着していったのか?
(日本人の栄養源としての食料はどのような変遷で摂取されてきたのか)
・調味料は、いつごろ登場し、定着していったのか?
(日本人の味覚はどの様に構成されてきたのか)
・保存食、加工食品はいつごろ登場し、定着していったのか?
・調理法(食器・調理器具)はどう行われまた変わっていったのか?
(日本人の食に対する工夫思考の変遷はどうだったか)
・上流階級と庶民の食生活の違いは、どのようなものだったのか?
(階級による食生活の違いの変遷はどうだったか)
■3段階目のテーマ
1・2段階目の追求テーマを踏まえ、より全体を俯瞰した視点での追求分析及び今後の日本の食生活の可能性について、下記のようなテーマで考えていければな~とイメージしています。
・食生活の歴史的変化が及ぼした日本人への影響(寿命や体格、人口等との関連)について
・今後の食の方向性、鎖国モデル、日本型食生活の可能性について
おおよそ、上記のようなテーマ設定をイメージしています。次回からは具体的な内容をエントリーしていきます。ぜひ「日本人は何を食べてきたのか?」シリーズの今後の展開にご期待ください。