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『水資源』の危機!!どうする?⑫:3.水資源危機の原因は?2)市場第一の国際資本(グローバル企業)の戦略~急成長している水市場~

 前回 [1]の内容を振り返ると、『水資源』の危機の根本原因は、

◆大衆の快美欠乏(快適さや利便性の追求)が市場拡大の原動力
◆必要以上に工業生産を拡大→都市化、人口増加、農業生産の拡大
◆「水消費量の急増」「淡水の汚染」「水の循環系の破壊」という深刻な事態

 であり、これを加速したのは中世以降の市場拡大を目的とした西欧列強による侵略戦争(略奪と騙し)に起因している。そして、現代でも市場拡大第一の国際資本(グローバル企業)がこの路線を引き継いでいるのだ。
 『水資源』の危機さえも、国際資本(グローバル企業)はエネルギー、食糧に引き続いて「水は21世紀の石油」と位置づけ、支配戦略を着々とすすめている。今回はその実態に迫ってみたい。
[2]
資源としての「水」問題 [3]より借用)
では、続きに行く前に応援よろしくお願いします。


■水道事業民営化の背景
 「水資源の危機」に際して、国際資本(グローバル企業)がもっとも注目しているのは、2005年時点では世界で60兆円規模といわれ(そのうち民営化されているのは10%と推定)、2025年には100兆円市場へと成長すると予測されている公共のインフラである「水道事業」である。
[4]
水問題(日本企業の貢献は?) [5]」より借用
  水道事業は、市場規模も大きく成長率も高い。かつ自治体との契約内容によってコストのかかる設備投資や管路更新を自治体に負担させ、民間企業は利益の上がる運営管理に業務を特化することでリスクを少なくした上で事業を請け負えることも国際資本(グローバル企業)にとって大きなメリットである。
[6]
[7]
『水道事業の民営化について』
より借用
 水道事業大手1社のヴェオリアは、パリ市と1 9 8 5 年より2 5 年間の水道事業のアフェルマージュ契約を結んでいる。よって、日本での負担が大きい資本コスト( 管路更新) については、パリ市が新規工事を行うため、日本に比べると、費用に占める資本コスト の割合が非常に少ない(つまり、利益率が非常に高くなる。仮に新しい投資が必要となった場合はパリ市が負担することになっている。)
■水道事業民営化の歴史
 欧米では、それまでにも民間企業による水道事業民営化は行なわれてはいたが、’80年代を境に急増する。その背景には、先進諸国で、

「工業生産拡大→大量生産と大量消費による高度経済成長期→モノが行き渡り市場拡大停止」

に陥ったという問題がある。市場拡大第一とする国際資本(グローバル企業)や政府はこの状況を打開すべく「新自由主義※」というイデオロギーに飛びついた。特にイギリスのサッチャー政権による「サッチャリズム」が代表的で、イギリスを筆頭にフランス、その他の欧州各国へと水道事業民営化が広がっていく。

※新自由主義(neoliberalism、ネオリベラリズム)とは、市場原理主義の経済思想に基づく、均衡財政・福祉および公共サービスの縮小・公営企業民営化・経済の対外開放・規制緩和による競争促進・情報公開・労働者保護廃止などをパッケージとした経済政策の体系、競争志向の合理的経済人の人間像、これらを正統化するための市場原理主義からなる、資本主義経済体制をいう。/出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

 
<水道民営化の歴史>
  1989年:イギリスウェールズ地方にてコスト削減・効率化のため導入開始
 1990年:欧州各国(特にフランス)が導入
 1990年代:水メジャー(ウォーターバロン)が発展途上国への水道民営化を推進
[8]
「世界の地域別水道事業民営化率」 [9]より借用
 まずは、自国で民営化によるインフラ事業の市場拡大を図り、独占基盤を形成する(しかし、すぐに市場飽和にいたる)。次にその圧倒的に優位な立場を利用して、国際戦略(グローバル化)に則って発展途上国を中心に世界市場を拡大していく。その結果として90年代にはフランス2社、イギリス1社の上位3社(水メジャーあるいはウォーターバロンと言われる)による世界水道市場の独占支配がなされている。 
 この上位3社も含め、今日、利潤主導型の水の供給を行っている企業は10社にのぼる。10年前、ヴェオリアの収益は年間50億ドルであったが、2002年には、120億ドルに達した。英国の Thames Waterを買収したRWEは、10年間で収益を9,786%も伸ばしている(結局は撤退したが・・)。そして、上位10社の収益は1,600億ドルを記録し、年成長率は7%である。この収益は、しばしば進出している国のGNPより大きい。
[10]
[11]
「我が国水ビジネス・水関連技術の国際展開に向けて」 [12]より引用


スエズ
(フランス・ロスチャイルド系列)
 1858年創業 スエズ運河を作った会社 ヨーロッパ最大級のエネルギー会社 傘下のオンデオ社が上下水道部門を担当している。スエズはロスチャイルド系企業でもあるが、ヨーロッパの産業開発専門の銀行である欧州復興開発銀行は、スエズとアメリカン・エキスプレス社=アメックスが経営している。
なお、この企業の正体は、かつて世界中を植民地支配し、有色人種を奴隷として酷使し、数億の有色人種を大量虐殺した東インド会社である。

ヴェオリア [13](フランス・ロスチャイルド系列)
 1853年創業 複合コングロマリットのヴィヴェンディから上下水道部門が独立。フランスのリオン発祥の水道企業でロスチャイルドが実権を握っているユダヤ資本である。
●テムズ・ウオーター:RWE(ドイツ)⇒豪マッコーリーに売却
 1973年に設立されたテムズ水道局が母体だが、RWE(ドイツ)が買収。その後、オーストラリアのマッコーリー投資銀行グループに売却している。マッコーリーは1969年、英系銀行の支店として豪州に設立された。85年にマッコーリー銀行として独立、豪州内の金融機関などをM&A(企業の合併・買収)で吸収しながら規模を拡大していった。投資銀行を主体として複数のファンドを持ち、運用資産は総額20兆円にのぼる。社員は世界各国に約1万人。特に公共インフラへの投資に特化している。

 これほどまでに巨大化したウォーターバロン。しかし、はたして企業努力だけでこれほど急激な成長が可能なのか?その背後には、やはり国際金融資本家(金貸し)の存在がある(特に中世以降、度重なる侵略戦争によって市場拡大=収奪を行なってきた企業が現代まで存続し、今も水市場を支配している)。国際金融資本家(金貸し)は、ウォーターバロンと連携して国際金融機関(世銀、IMF)を使って世界市場を支配しようとしている。その、からくりとは?(続く)
<参照>
■るいネット
■自然の摂理から環境問題を考える
■『「水」戦争の世紀』モード・バーロウ、トニー・クラーク 著(集英社新書0218A)
■『世界の水が支配される』国際調査ジャーナリスト協会著(作品社、2004年)
「世界の水問題と水道民営化の実態」 [14]佐久間智子さん http://altermonde.jp/pdf/20071219a.pdf

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