- 地球と気象・地震を考える - http://blog.sizen-kankyo.com/blog -

代替エネルギー開発は、私たちを幸せにするのか?



07_01.jpg

前世紀末ら急速に高まった石油使用量の増大と、埋葬量の低下から、代替エネルギー開発に大きな資金が投入される。その代表例が、『燃える氷』と呼ばれるメタンハイドレードだ。

これは、天然ガスの主成分のメタンが、低温、高圧で水の分子に閉じ込められ、個体となったもの。また、石油や石炭などに比べ、燃焼した際の二酸化炭素や窒素酸化物の排出量が少ないとされることで、次世代エネルギーとして期待されている。日本近海には、天然ガスの100年分で世界最大規模とされる7.4兆のメタンハイドレートが埋蔵されているとされる。

もしもこの開発に成功し商業化できれば、日本は一挙に、資源の無い国から資源の豊かな国に変わる。そのこともあって、この開発に国家として取り組んできた。その結果、その採掘技術に関して日本は世界の最先端を行っている。

『これが実現すれば、独自のエネルギー供給が可能で、石油メジャーを中心とする日本支配から抜け出すことが出来る・・・』
となるのだろうか?

続きを読むまえにクリックをお願いします
          


しかし現実は逆だろう。

2008年5月17日 日本インタビュ新聞 [2]より

日本政府は17日、メタンハイドレートの商業化に向け、アメリカと共同で研究開発を進める方針を固めた。17日付け日本経済新聞夕刊が伝えた。08年夏ごろまでに正式に合意し、09年度からの研究開発を行う。次世代エネルギーとされるメタンハイドレートの早期商業化への競争は、中国など世界各国の参入で熾烈な戦いに突入している。18年ごろの商業化を目指す日本政府は、アメリカ政府と連携することで、生産技術の確立を急ぐとともに、日米で生産技術のデファクトスタンダードを確立しようとする。

共同研究の対象となる採掘地は、日本近海に加え、アメリカではオレゴン州沖やアラスカ州の既存採掘地が有力視されている。新たな採掘地も検討する。

採掘の際は、地層中でメタンハイドレードをメタンガスと水に分離し、メタンガスを回収する。メタンガスを回収した後は、天然ガスと同じような生産や販売ルートに乗せると見られている。

メタンハイドレートは、固体で埋蔵されることが多く、採掘が難しくコストも高い。さらに、多くのメタンハイドレートが海底下に在るとされ、採掘の際には環境への悪影響も懸念されている。日米両国は、共同研究により、商業生産に見合うような、安価で安全な採掘技術の確立を目指す。

この課題に対して、地道に技術開発と調査を行ってきた日本。その間、アメリカはほとんど関心を示していなかった。それが、商業ベースに乗る可能性が出てきたとたんに、共同開発提案だ。ようするに、技術のただ乗りだ。

おそらくそれだけでは無いだろう。もし、商業化に成功すれば、資源が多いのは日本である。中東の例をとっても、資源獲得のために、採掘権、販売ルートを独占し、主権国に家干渉を続けるアメリカだ。

今まで、アメリカの言いなりで、財布代わりに使われてきた日本をみていると、その販売もアメリカ資本が牛耳ってしまう可能性が高いのではないか?

結局、代替エネルギーのように、金が一番という市場原理の中で問題を解決しようとすると、その支配者である巨大資本に服従せざるを得ないということではないか?

そう考えると、この大量消費社会を持続させる目的から一歩も出ない技術開発、とりわけ代替エネルギー開発は、私たちを幸せにすることはできないということではないか?

今求められるのは、市場原理を越えて、必要か否かの判断やみんなの活力が上がるなど、共認原理にもとづいた、技術開発なのだろう。

By Honda

[3] [4] [5]