またまたビタミンCの続きです。
以前、『純粋精製されたビタミンCと、野菜や果物等の状態で摂取したものとは、直感的にも体に及ぼす効果は違うような気がしますが、このあたりは不明 な様です。』ということがありましたね。
実際のところはどうなのでしょうか。
ビタミンCの発見者:アルベルト・セント=ジェルジ・ナジラポルト(1893年~1986年)
ハンガリー出身。1937年、生物学的燃焼過程、特にビタミンCおよびフマル酸の触媒作用に関する研究 にてノーベル賞受賞。
実際に、摂取方法を比較実験して、結果を公表されているページがありました。以下は東邦大学メディアネットセンター「ビタミンCの真実」から。
http://www.mnc.toho-u.ac.jp/v-lab/vitamin/vitamin-c/vc-06.html
ビタミンCの正しい摂取方法
忙しい毎日、どのようにビタミンCを摂取したらよいのでしょうか。私たちは、(1)サプリメント、(2)野菜ジュース、(3)野菜サラダ、(4)ジャガイモからのビタミンCの吸収と排泄について調べてみました。その結果は、次のようになりました。
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(1)ビタミンCを単独で摂取しても、吸収はあまり良いとはいえませんでした。また、尿から直ぐに排泄されてしまいます。
(2)ビタミンC入りの野菜ジュースの摂取では、吸収がよい反面、尿から直ぐに排泄されてしまい、体内には余り留まりませんでした。ジュースは水分ですのでたくさん飲めば、当然トイレに行きたくなりますよね。
(3)野菜サラダからの摂取ではビタミンCの吸収が非常に良く、尿からもほとんど排泄されないため、体内に長く留まっていることが分かりました。これは、野菜に含まれている他の多くの成分とともにビタミンCが腸から吸収され、体内貯蔵庫に運ばれているためと考えられます。
(4)ジャガイモからの摂取でもビタミンCは吸収されます。野菜サラダに比べて吸収速度は遅いですが、尿からの排泄もほとんど見られませんでした。もっと時間が経つと血液中のビタミンC濃度が上昇することが予想されます。
これらの実験結果は、サプリメントや野菜ジュースに頼らず、きちんと食事をしてビタミンCを摂取することが望ましいことを示しています。また、サプリメントからビタミンCを摂取する場合には、食後に取るのが効果的です。
結論、やはり野菜から取るのが一番のようですね。
なお、セント・ジョルジ博士は、ビタミンCを発見すると同時に、単体として取り出したビタミンCが、赤ピーマンの濃縮物の中にあるビタミンCと比較し、その生化学的活性がはるかに劣っていることも発見しました。博士の後輩のアンデイ・シャレー博士は、研究を続けた結果、赤ピーマンに含まれているビタミンCは単体ではなく、成分の一部が粗タンパクと結合しており、これが吸収力の大きな差の原因だったことを突き止めたそうです。(参考:堀泰典博士のホームページ)
人工でも自然のものでも、ビタミンCそのものに違いはないのですが、自然のままの、他の要素と結合した状態で摂ることで、身体に及ぼす効果が違う事がわかりました。