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抗生物質まみれでアレルギーに!?

アレルギーって一体何なの?! [1]に引き続いてアレルギーシリーズを続けてみたいと思います。
アレルギーに悩んでいる人、ホント多いですよね~
最近では犬もフケや埃でアレルギーを引き起こすようです。
花粉も埃も大昔から身の周りに存在したもの。花粉や埃が体内に侵入してきても、ちゃんと適応できる身体になっているはずなのに、何で現代はそれらがアレルギー反応を引き起こすのか? 🙄
アレルギーの仕組みを調べてみると、アレルギー反応を引き起こすIgE抗体が注目されています。
アレルゲン(抗原)が体内に侵入してくると、まずマクロファージが抗原を貪食し、T細胞B細胞にその抗原情報を提示します。その情報を受けたB細胞はIgE抗体を産出し肥満細胞に抗体が取り付きます。そしてこの抗体が取り付いた肥満細胞と抗原が結合すると、肥満細胞がヒスタミンやロイコトリエンなどの化学伝達物質を放出し顆粒球等が活性化し炎症や湿疹が起こるといわれています。
T細胞?B細胞?抗体??って何???って思った方はこちらの生物史から自然の摂理を読み解く [2]
をご覧ください。免疫シリーズの記事が満載です。 😀
さてこのIgE抗体。これまでは花粉や埃が入ってきても産出されなかった筈。何で産出されるようになってきたのか?一つ面白い記事を見つけましたので紹介したいと思います。

Bリンパ球に抗体をつくらせるヘルパーT細胞に、Th1細胞とTh2細胞とがあります。Th1細胞は、IgGという細菌に対する抗体をつくらせます。Th2細胞は、IgEというアレルギーをおこす抗体をつくらせます。そして、このTh1細胞とTh2細胞とは、互いに抑制的に働いています。一方の働きがつよくなると、他方は弱くなるのです。
 人間でも、アレルギーが増えてきたのは、最近のことです。昔の子供は、みんな鼻水をたらしていました。手で鼻をぬぐうので、服の袖が、てかてかになっていたものです。これは、鼻炎や副鼻腔炎が常にあったということです。
 現代の日本は、異常なほどの清潔志向です。抗菌グッズが売れています。また、世界の中で最も多く抗生物質を使っているのも、日本です。養殖される魚、鶏、牛、豚などの餌にも、必ず抗生物質が含まれています。 
 今や日本は、細菌感染が大幅に減った社会です。その結果、Th1細胞への刺激が減り、Th2細胞の方が、相対的に優位となりました。つまり、アレルギーをおこしやすくなったのです。これは、人でも犬でも同じです。
 また、Th1細胞が減れば、がんができやすくなります。アメリカでの調査で、抗生物質を常用している婦人は、乳がんに2倍かかりやすいと報告されました。
 藤田紘一郎(寄生虫学者)さんは、「体にいい寄生虫」という著書のなかで、アレルギーを減らすために、一つは、BCGを注射することをすすめています。BCGにより、Th1細胞の活性があがります。もう一つは、身体のなかに、いい寄生虫を飼うことです。寄生虫のために、身体は多量のIgEをつくりますが、これが肥満細胞の表面に前もってくっつくため、アレルギーをおこすIgEをブロックできるのです。
 昔は、結核と寄生虫が多かったために、アレルギーが少なかったといえます。
人間は、細菌と共存した方が免疫力が高まります。子供も、重症にならないかぎりは、時には熱を出した方が、免疫力が鍛えられていいのです。
 ただし、Th1細胞が多すぎると、今度は、自己免疫疾患がふえてきます。やはり、免疫は、バランスが大切です。

Dr.さとうの健康コラム [3]から引用させていただきました。
 
昨今では人もペットも死体が腐りにくいという話を聞いた事があります。食べ物や薬などを通して、私たちの身体には抗生物質が大量に入ってくるようになり、その結果、身体に住み着く細菌類が減少し、免疫バランスが崩れていているのでは?という説には直感的ですが頷けるものがあります。
食べ物に含まれる抗生物質は、商品作物として食物流通市場が大きくなってきた歴史とともにあります。その上に、昨今の間違った健康志向や清潔志向が重なってきたこととがこのアレルギー社会を引き起こしてきたように思います。なんでや劇場 [4]で免疫の普遍的な構造を追及するなかから、まだ未明なアレルギー問題も見えてくるかもしれませんね。今後も追及ー

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