味覚は何のためにあるのでしょうか。
日々、美味しいものを探すようになった人間にのみ発達した感覚なのでしょうか?
そんなことはありません。
味覚と嗅覚は化学物質を探知する能力ですが、魚などは味覚と嗅覚が一体となり、口の中だけでなく、ヒゲや体表面にセンサーが無数にあり、水中でどの方向に餌があるか味わう事が出来る。彼らは常に水の中の味を感じながら生きている。
そのセンサーは人間、ほ乳類の場合、舌にあるわけですが、いくつかの化学物質毎に反応します。
それぞれが甘味、塩味、酸味、苦味、うま味を感じるようになっています。
http://www.umamikyo.gr.jp/knowledge/physology.html [1]から
なんで、この5種類が必要なのでしょう?
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甘味はエネルギーそのものを表しますから、これは解りやすい。疲れているときは甘い物が美味しい。
塩味はミネラルでしょう。海のしょっぱさを欲するのは地球上の動物皆共通のはず。
では、酸味、苦味、うま味は何のためでしょう?
苦い物を口にすると、赤ちゃんは吐き出します。毒物に対する防御のようです。
酸味は腐敗に対する防御かと思いきや、小さな子供が意外と酸っぱい物を好きだったりする。
http://www.swimmail.jp/eiyou/005.html [2]
栄養コラム なんでも食べ物おまかせ!から引用
■味覚 その3 -酸味-
酸っぱいものは、代謝が多くなっている時やエネルギーをたくさん使う時に体が欲しがります。
この時に身体が欲しがっているのは、柑橘類の持っている爽やかな酸味で、食酢の持つツーンとしたむせるような酸っぱさとは異なりますが、これは柑橘類の酸っぱさは主にクエン酸からくるものだからです。体内にはクエン酸回路といって、とりこんだ栄養素をうまく代謝させる仕組みがありますが、その回路をうまくまわすのに欠かせないのがクエン酸なのです。
なるほど、クエン酸ですか。確かに柑橘系の酸味が欲しくなるときがありますね。
■味覚 その4 -苦味-
苦味のあるものが食べたいとき・・・菜の花、わらび、ふき、タラの芽、こごみ、筍、うど、木の芽など山菜、苦ウリ、春菊、また秋刀魚など魚介類の内臓など日本の食文化には「苦味」「渋み」を楽しむ食材が多くありますが、苦味のある食べものは、体の熱や余分な水分をとり、のぼせ・ほてりを静める働きのある成分が含まれています。また野菜の苦味は、日光と土から大地のエネルギーをもらった証拠で、この苦みやえぐみはポリフェノール成分であり、新陳代謝を活発にしたり、肝臓機能を高めたりする作用があります。
うーむ、かなり文化的な側面が大きい気もしますが、サルなど森に住む動物には木の芽を食べるのがいますね。
では、旨みは?これこそ文化か?
■味覚 その5 -旨味(うまみ)-
旨味の濃い食品は、生きる上で欠かせない食品です。基本的に旨味の構成成分はアミノ酸であり、その集合体が蛋白質です。肉や魚、豆などの蛋白質は、食べないでいると気分的に物足りないだけでなく、成長期には欠かせないものです。
「旨味」という言葉で、グルメな感覚と勘違いしていたようです。
タンパク質、アミノ酸、これらを美味しいと感じる、動物としては当たり前のようですね。
人間は生物として備わったこの感覚をトコトン楽しんできましたが、この感覚を騙してしまう術も発達させました。2~300年前の砂糖の普及による甘味の乱用や、最近の添加物による栄養素とは関係ない味覚の乱用。
健康食品でもなく、サプリメントでもなく、普通に「美味しい=体が欲する」感覚を取り戻したいですね。