世界的に、水の枯渇がいわれているが、日本では、渇水や水不足がここ数年は大きな話題にはなっていませんね。
水飢饉とは無縁そうな日本。本当にそうなのか?
日本の水資源の特徴、水利用の状況を扱ってみます。
まずは、地球上に存在する水の形態について。
地球上の水の大半は、海水です。
地球上の水は、13.86億立方kmの水がありますが、そのうち97.5%が海水です。
淡水は、全体の2.5%、0.35億立方km。その過半は氷河等の形態です(0.24億立方km)。
そして、地下水が0.11億立方km。
河川、湖沼等は僅か0.001億立方km、全地球の水の0.01%です。
水の惑星といわれますが、陸上生物(植物・動物)が依拠しているのは、わずか0.01%の水です。
では、日本の水資源(もちろん淡水です)はどうなっているのでしょう。
分かりやすい図が、水資源白書にありますので、まずはその図から。
日本の年間降水量は、6500億立方mです。そのうち、2300億立方mが蒸発し、残りの4300億立方mが、地中にしみこみ、河川を流れ、湖沼に溜まります。(図の平均水資源賦存量)
一方、日本の水利用総量は、年間800億立方m強ですから、水資源賦存量の約1/5を使っています。
日本の水資源は、まだまだ余力があるのでしょうか。あるいは、余力がないのでしょうか?
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水資源の余力を考える前に、年間800億立方mの水利用の中身を見てみます。
日本の水利用は、大きく、農業用水552億立方m、生活用水(上水)162億立方m、工業用水121億立方m、合計835億立方mです。
また、河川水が731億立方m、地下水104億立方mです。
日本の水利用の特徴は、以下です。
①河川を流れる水を使っていること。
②農業用水が過半以上を占めていること。
③農業用水は、田植え期(現在は4月~5月)という特定の時期に集中すること。
日本の河川は急峻で、沢山雨が降るが、あっと言う間に海まで流れてしまいます。
この河川に沢山のダムを作り、安定して水を利用できるように、百年、数十年に渡って、取り組んできた成果により、賦存量の1/5を活用しているのです。
水利用の更なる増加に対応しようとすれば、ダムを追加する必要があります。
しかし、河川上流のダム適地が少なくなっているのです。
だから、河川の最下流に河口堰をつくり、河川水の最後の一滴まで使う段階に入っています。
その意味では、日本の水資源は、限界に来ているといえます。
代表的な河口堰が、長良川河口堰ですね。
参考:長良川河口堰の目的
リンク [1]
参考:河口堰の図
リンク [2]
最後に、水資源白書へのリンクをはっておきます。
リンク [3]