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ダイオキシンで儲けた挙句

最近、ダイオキシンについての報道をあまり聞かなくなりましたが、年末にこんな記事が出ていましたので紹介します。
以下 
神戸新聞 NEWS
http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/0000781654.shtml [1]
より引用
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かさむ補修費、自治体圧迫 「ガス化溶融炉」問題多発
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高濃度のダイオキシンが検出されるなどトラブルが相次いだ高砂市美化センター=高砂市梅井
 国のダイオキシン規制で設置が一時義務化された次世代焼却施設「ガス化溶融炉」の補修費が各地で増加し、運営する自治体の約六割が「想定を超える」として、今後の負担を懸念していることが二十四日、時事通信社の調べで分かった。メーカーの新規参入とダンピング競争で全国に普及したが、専門家は「そもそも未熟な技術だった」と指摘している。
 多くの施設が二〇〇二年の規制強化を機に運転を開始。メーカーが無償修理する二-五年の保証期限が切れ、負担が表面化し始めた。一部の自治体では財政を圧迫する恐れもあるという。
 環境省も実態把握に向け、来年度にも運営費のデータベース化を行う。自治体間の情報共有を進め、契約額を検証できるようにする考えだ。
 ガス化溶融炉は、ごみを蒸し焼きにして発生した可燃ガスを利用。従来型焼却炉が約八百五十度で「燃やす」のに対し、千三百度以上で焼却灰ごと「溶かして」ダイオキシンを分解する。
 地方自治体(一部事務組合など含む)が運営する三十二道府県のガス化溶融炉七十カ所に対し、補修費の推移などを調査。外部に一括委託して内訳が不明なケースなどを除いた五十七カ所を分析した。
 その結果、〇四年度は四十九カ所が稼働し、補修費は計約十九億二百万円。施設数は〇五年度五十三カ所、〇六年度五十七カ所となったが、それぞれ約二十九億九千二百万円、約四十四億三千二百万円に膨らんでいた。
 従来型の補修費は、一施設年間一億円以内だったが、〇六年度は二十カ所で超過。炉内部や周辺機器の損傷が目立つ。

 補修費を「想定内」としたのは十七カ所(30%)で、三十六カ所(63%)が「想定より多く、今後の増加を懸念」と回答。四カ所(7%)は「分からない」としている。
 兵庫県内では〇三年四月、高砂市美化センターで稼働。基準値を超えるダイオキシンが検出されるなどトラブルが相次いだこともあり、補修費の負担増が懸念されている。高砂市は焼却炉メーカーに対し、本年度末で切れる保証期間の延長を求めているが、交渉は難航している。
 メーカー保証は既に三十七カ所で期限が切れた。残る施設のうち、十四カ所も来年度中に期限切れを迎える。過去二年度では、一施設当たり平均五千数百万円の負担増となる計算だ。
 九州地方の施設は、〇六年三月に保証が切れると補修費が一・七倍に。北陸の施設では、過去二年度は六千万円台だったが、保証が切れた今年度は三億円を超え、担当者は「こんなに増えるとは思わなかった」
と語る。

 日本環境衛生センターの藤吉秀昭理事は「基本的な課題をクリアしないまま実機に移した技術もあり、影響が出始めている」としている。
——-中略————
 ■メーカー、技術追いつかず
 「業界内の競争が激しく、かなり急いで開発しなければいけない状況だった」。国のダイオキシン規制は、突如年間数千億円規模の市場を生み出した。多くのメーカーがガス化溶融炉の受注合戦を展開。しかし、運転開始後はコストがかさみ、「高い買い物」になったケースも。営業担当者の一人は「もっと技術的な検証が必要だった」と振り返った。
 旧厚生省が焼却炉の新設で「溶融、固形化施設を有すること」を補助金の条件としたのは一九九七年四月。国が事実上、ガス化溶融炉か「灰溶融炉」かの二者択一を迫り、業界に巨大市場をもたらす決定だった。
 当時苦境に陥っていた製鉄や造船業界なども次々と参入。しかし、稼働したものの計画性能を発揮しない施設が現れた。日本環境衛生センターの藤吉秀昭理事は「メーカーは性能を高くうたい過ぎた」と指摘する。
 メーカー間の性能や維持費に開きがあったが、環境省も今年六月までコスト比較の統一基準すら作っていなかった。想定以上に経費が掛かる自治体からは悲鳴も上がるが、同省は「あくまで自治体の責任において決めたこと」
とにべもない。

これって、ダイオキシンって危険なの?(4)「市場が行き詰まりが規制=新たな市場を生み出した」
で指摘されていることが、そのまま現実化してきたということではないでしょうか。
業界と政府が結託して無理矢理作り出したダイオキシン対策市場。そして、そのツケは、地方自治体へ押し付け。→財政破綻
「環境」をキーワードに、市場の延命をはかり、それが、一層、状況を悪化させる典型例ではないでしょうか。

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