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微生物の働き

るいネット http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=600&t=6&k=0&m=167242 [1]

昔、理科の授業などで教えられた生態系の一連の循環に関する概念としての、生産者⇔消費者⇔分解者の「分解者」ですね。
では、分解者の中にはどのような種類のものが存在するのでしょうか。
小さく分解されていく段階をおって並べると、
・土壌生物(小動物、昆虫など)
・微生物(菌類、細菌類)

分解者は有機物である生物の死骸を何段階かかけて無機物に変えていきます。動物は有機物(それも生きた物か生きのいい死骸)しか食べられませんが、逆に植物は無機物でないと摂取できません。この間に入って炭素や窒素や硫黄、リンなどを循環させているのが微生物たちです。
さて、この微生物の活動ですが、さんぽさんの実験、野菜が「腐る」のと「枯れる」のはどう違うのでしょう?
森の中ではあれだけの落ち葉があって腐敗臭が無いのは何故でしょう?

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「菌類」というのはカビとかキノコ。酒や味噌やパンの発酵で活躍する酵母も菌類です。
「細菌」はいわゆるバクテリア。菌類や土壌生物である原生動物が真核生物であるのに対し、原核生物です。ですから、ちっちゃい。ゾウリムシが100~300ミクロンくらいなのに対し、10ミクロンくらいの大きさ。
そして、ものすごい数。肥沃な土壌1g中、36億匹居ると言われています。空気中なら1立方メートル当たり1万匹。ちなみに人間の体内には一人当たり100兆匹以上と見積もられています。
その上、どこにでも居る。成層圏の上、2万2千メートル上空でもバクテリアが採取されています。海底火山の灼熱地獄だろうが、南極の-74度の極寒地だろうがバクテリアは見つかっています。
地球は細菌の惑星なのです。
だから普通の場所で有機物を置いていくと必ずいつかは分解される。
そして、彼らはものすごい勢いで活動します。その呼吸量は単位重量あたり、我々動物の数百倍。
日夜、絶え間なく、手当たり次第に分解しまくっているのです。その分解=食事の結果が腐敗であり、発酵です。普通、人間にとって不都合な分解を腐敗と呼び、好都合な分解を発酵と呼ぶとなっています。
が、大きくはメタンやアンモニアに分解すれば腐敗で、アルコールや、乳酸に分解すれば発酵ということのようです。何段階もありますから一概に言えませんが)
彼らは、活動出来る状況さえあれば爆発的に増加します。どこのフィールドでも細菌種間は縄張り争いをしており、数的優位に立った種は敵対する種が増えないように、その種を増殖させない物質を放出します。これを人間が利用した物が、病原菌に対抗する抗生物質です。
ですから、発酵菌によって支配された食品はなかなか腐りません。多くの発酵食品が保存食となっているのはこのためです。
では、森はなぜ植物の死骸=落ち葉に被われていても腐敗臭は無いのか、自然農法の野菜だけが枯れるのか?
実は色々調べましたが、残念ながら明確に答えてくれるサイトや書籍を見つけることが出来ていません。ほとんどが「自然界は本来発酵なのだ」みたいなコメントです。
なので、以下推論します。
○何故、森は臭くないのか?
確かに善玉菌=発酵菌の方が強い。腐敗菌の多くは発酵菌の抗生物質にやられる。
腐敗菌は嫌気性が多く、本来は酸素のない沼の底などで活発に活動しているものであり、森の表層土では発酵菌が活発に活動している。
だから、森の中では発酵菌が支配的で発酵系の分解を行っている。これが良質な土壌を生む。
○なぜ冷蔵庫の一般栽培野菜は腐るのか?
冷蔵庫の密閉容器の中で、野菜は乾燥と分解が同時に行われている。
普通、一般栽培の野菜であろうと、密閉せず、そこいら置いておけば枯れる。
が、密閉容器の中では乾燥仕切れず、その前に微生物たちが増殖し始める。
水分がありと嫌気状態であることにより、腐敗菌が支配的となる。
○ではなぜ自然栽培では腐敗しないのか?
一般栽培や有機栽培の野菜の状態として考えられるのが、窒素、リンなどの栄養分が過多であること、そして水分が多いこと。これは、植物として甘やかされて育ててこられた状態であり、植物細胞としては弱い。
だから、切り離されて直ぐ細菌に分解され始める。
それに比べて、自然農法のものは強い。(具体的には細胞壁がしっかりしているような気がする)
植物も腐敗菌に冒されないように、対抗して生きている。切り離されてもしばらく細胞は生きようと活動している。
だから、細菌に分解され始める前に、その少ない水分は蒸発し、細菌が増殖しやすい状況で無くなる。
・・・といった、推論をしてみましたが、どうでしょう?

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