このブログの趣旨から言えば、水をめぐる課題は不可欠です。
少なくとも、この地球上では、生物史を貫いて、水はその生命誕生から絶対に不可欠な物質として存在しています。くわしくは、
http://www.biological-journal.net/blog/2007/07/000258.html [1]
その重要な水が、市場原理によって、危機に直面しています。
まず、どういう問題がおこっているのか、るいネットに投稿されたものを参考に、現時点で整理してみたいと思います。
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◆水の地球レベルの循環構造がいまだ解明されていない問題
水は地球において、様々な形態で存在しています。
・大気中に水蒸気(雲)として存在している。
・海洋(まさに原始から生命の母なる海として)
・河川や湖沼などの淡水域(地下水などの伏流水も含めて)
・動植物などの生命体の体内および細胞内(例えば人では重量比2/3にもなる)
・意外にもマントル内のカンラン岩にも海洋の5倍にも及ぶ水分が含まれている
そして、これらは定常的に存在するのではなく、常に循環していることがきわめて重要な仕組みです。
この循環がなければ、生命活動を維持することが出来ません。最近話題となっている温暖化についても、本来この仕組み(水の循環による熱収支の部分)を解明しなければならない大前提の問題として横たわっています。
◆水資源が枯渇する問題
るいネットの岡本さんの投稿を参照します。
http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=600&t=6&k=0&m=100447 [2]
これによると、
・利潤と効率を追求するあまり、地下水を大幅に減少させ、一部では地下水が枯渇するという危機にも瀕している。(アメリカ中西部)
・中国北部の黄河では1972年から約30年間、河の水が河口まで届かない「断流」と呼ばれる現象が 起こっている。このため黄河下流域の村では大地が干上がり、食糧の生産が落ち込み、飲料水の確保さえ困る地域も出ている。水不足で土地はひび割れ、塩が浮き出している。
世界の食糧危機は、地下水を含めた水の過剰消費による枯渇によって、一気に発生するかもしれない。
と締めくくっておられます。
◆水資源供給が市場化される問題
これも、るいネットのチウエさんの投稿を参照します。
http://www.rui.jp/ruinet.html?
i=200&c=600&t=6&k=0&m=163741
・イギリスの事例ですが、もともと公益性が高く、収益をあげることにそぐわない水道事業を民営化した結果、経営困難→料金値上げ、水質低下をもたらしました。
「本当に必要なのは、生活に必要な水の安定供給」と締めくくっておられるように、市場化すべきものではないライフラインであるはずです。
◆水道水は危険だからミネラルウォーターという市場原理(マスコミ)による洗脳の問題
これも、るいネットの西谷さんが詳しく展開されています。
http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=600&t=6&k=0&m=162609 [3]
・水道水の水質基準からいえば、危険という水準ではないが、それよりも、危険なのは規準の甘いミネラルウォーターである。それに対して、市場原理による洗脳がまかりとおっていると指摘されています。
ここまであげたおおきく4つの問題はいずれも、市場拡大の美名のもとに、起こりうべくして起った問題です。少し前になりますが、「水」戦争の世紀(モード・バーロウ & トニー・クラーク,集英社新書)
が話題になりました。「水は人間にとって必需品であるが,権利(人権)ではない」とのたまう市場原理主義者を野放図にしておくと、人類は滅亡してしまうのではないかという危惧が現実化しつつあります。
今後、シリーズ化してこれらの問題に取り組んでいきたいと思いますが、なにぶん、非力な身でございますので、どなたでもご協力のほどお願いいたします。 😥