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最近の光化学スモッグの原因って?

みなさん、光化学スモッグってご存知ですか🙁
かつて1970年に、東京の学校の生徒43名が、グランドで体育の授業中に、目に対する刺激・のどの痛みなどをに見舞われるという事件があり、それが光化学スモッグによるものということが判明して以来注目されるようになりました。実際70~80年代は、小学校で光化学スモッグ警報が出たときのための訓練までしていたそうです。
…でも、最近は聞かないからイマサラい~んじゃなのって
いやいや!それが実は最近、また復活しようとしてるようなんです
「え、そうなの?なんで?」と思いました
では続きが気になる方は、ぽちっとしてから続きへGO☆


まずは、「光化学スモッグって何??」というトコロを押さえておきたいと思います

自動車の排気ガスや工場の排煙は、太陽の光を浴びることで光化学オキシダントという物質に変化します。この光化学オキシダントの濃度が、夏など日射量の強さ、高温・無風などの条件が重なり、局所的に高くなった状態を、光化学スモッグと呼びます。この光化学オキシダントは、一定濃度以上が溜まると、目や鼻の粘膜が痛んだり、痺れや痙攣、さらには鼻血や目の充血などの健康被害を及ぼします。

日本で光化学スモッグが注目された70年代には、首都圏では年間50回も光化学スモッグ警報が発令されるなど、脅威を振りまきましたが、その後政府や企業の汚染対策が進み、90年代には警報は年間平均13回というレベルに落ち着きました。
しかし
冒頭でも言いましたが、ここ最近、この光化学スモッグが復活の兆しを見せているようなんです
光化学スモッグ警報も、01年には23回発令されるなど、増加傾向にあります。
…なぜなんでしょう??
70年代の光化学スモッグの原因は、工場のばい煙によるものがほとんどでした。それが規制され、一時は減ったものが、ここ最近増え始めているということは、他の原因の影響を受けているということが考えられます。世間では、中国の近代化による越境汚染(中国の工場のばい煙が偏西風に乗って、日本に来ているのでは?)ということが言われていて、それももちろん考えられると思いますが、ここでは、別の原因ではないか?と思われるものに焦点を当ててみたいと思います。
それは、ヒートアイランド現象です
え?暑くなるのと、どう関係あるの?と思いますよね?
でも、どうやら関係ありそうなんです
実際どう関わってくるかというと、実は、ヒートアイランド現象が起こると、「ヒートアイランド循環」と呼ばれる風の流れの影響が出てきます。
                 【ヒートアイランド循環の図】
fig3.5.6
図のように、都市部で、郊外より温度が高くなって生じた上昇気流が、地上では郊外から都市部へ、上空では逆の循環流が発生します。
そうなるとどうなるかというと、
a_002_2.jpg
この図のように、都心部で排出された汚染物質が、風の循環によっていつまでも都心部に留まり続けて、ダストドームを形成してしまいます。汚染物質が留まり続けるということは、光化学オキシダントの濃度も上がるということにつながるので、光化学スモッグが起こるという仕組みになります。
実際、このダストドーム→光化学スモッグが、花粉症の原因ではないか?という指摘もあるようです。
そう考えると、ヒートアイランド現象って…単に熱帯夜が増えて寝苦しい!!なんて話では済みそうにないです。simasanの地球温暖化の原因になってるのでは?(リンク [1])という説もあるように、ヒートアイランド現象はみんなにもっと、注目して考えてもらいたい問題だと思います。
※参考図書:『面白いほどよくわかる地球と気象』

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