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京都議定書に向けた主張1(開発途上国の場合)

随分前になりましたが、「環境」が市場に上場? [1]で述べた通り、京都会議への各国の取組姿勢・主張をみていきたいと思います。

「先進国は産業革命以来、二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスを大量に排出し続けており、まず、先進国が責任を持って温室効果ガスの削減に取り組むべきである。温室効果ガスを排出し続け、経済の近代化に成功し、豊かな生活を享受しておきながら、地球の温暖化が音大となるや否や、その防止に開発途上国まで駆り出すのは虫が良すぎる」というのが共通の考え方のようです。

しかし、これらには小島諸国連合と産油国のように相反する利害を持つ国家群が含まれるため、共通の考え方があるにせよ、その主張には若干の違いもあるようです。

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■小島諸島国連合(小島嶼国連合)の主張






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南太平洋のエリス諸島に位置するツバル。
海抜が低く、温暖化の影響による海面上昇が原因で
水没の危機に瀕している(写真提供/FoE Japan)

開発途上国の中でも、温暖化が深刻化して海面上昇や自然災害増加の脅威に直面するツバルやサモアなど南太平洋を中心とした小島諸島国連合(AOSIS)は、1990年のCOP2の際に結成されました。
これらのグループは「今すぐ温室効果ガスの削減を!」が主張の根幹であり、EUと同じく早くから二酸化炭素の削減案を具体的な数字を含めて発表してきました。

これらの国々の中にはツバルなどのようにNGOやマスコミに取り上げられ(サポートを受け)ていますが、太平洋上に浮かぶこれらの国家群の発言力は国家交渉の場では大きなものとなっていません。

■産油国の主張
小島諸国連合とは主張を対極にするのが石油輸出国機構(OPEC)の加盟国などの産油国です。
かれらは化石燃料である石油の輸出に歳入の多くを依存しているため、二酸化炭素などの温室効果ガスの排出が規制されれば経済的に大きな打撃をうけるため、石油消費が低迷した場合の補償を要求しています。

※昨今の原油高は、原油の現物や先物商品を「買い占め」していることや、産油国の出し渋りなどの見方もあるようですが、意図的に操作されているような気がしてなりません。
参考;NY原油価格続伸―7日間続伸で1バレル72ドル超!腑に落ちないと同時にまたかという思いが強い

■市場主義に近い国々の主張
開発途上国の中には温暖化防止のために温室効果ガスの削減に積極的な役割を担おうとしている国々があります。一見すると温暖化に立ち向かう姿勢のようにも見られるが、これらの多くは中南米の国々となっています。

つまり、かれらはアメリカとの共存を考えており、温室効果ガスの削減目標が設定されれば、排出枠を売ることができるためであると思われます。
このように開発途上国のなかでも排出権取引や共同実施、CDM(クリーン開発メカニズム)など市場への参加を希望する国々があり、このような動きは京都議定書以降徐々に強まっています。




「京都議定書に向けた主張2」 [2]に続きます。

お付き合い頂きありがとうございました m(_ _)m

<参考文献>

 ・「京都議定書」再考!/江澤誠/(株)新評論

by 村田頼哉


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