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痛みの分からない学者・研究者、マスコミ



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図1.「産廃銀座」の産廃焼却量と、所沢市の
新生児死亡率(対県比率)


ダイオキシンって危険なの?(6) [2]で扱った「新生児死亡率の増加」を考えてみたいと思います。

1997年ごろ、さいたま実行委員会(以下「埼玉NGO」)が作成した資料があります。
このグラフこそが、「産廃焼却があぶない」「焼却炉近くの住民はダイオキシンにやられている」と云った話を生んで世間を騒がせ、ダイオキシン法を生んだ起爆剤のひとつです。

ここ20年ほど、所沢「産廃銀座」の産廃焼却がふえるにつれて、新生児死亡率が少しずつ上がっている - 。 図1のグラフがその証拠となったものであるが…。



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新生児死亡率は統計データから分かるものであり、上記グラフと同じデータを用い、グラフ化すれば図2が出来上がります。



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図2.「産廃銀座」の産廃焼却量と
所沢市・三芳町・大井町の新生児死亡率


産廃焼却量は同じであっても死亡率の印象はまったく異なって見えます…。

その原因は、




(1)死亡率そのものは年々減ってきているのに、死亡率を「対県比率」とすることで、死亡率そのものが上昇していると錯覚。
(2)3年平均を用いることにより、たまたま値の大きい年があれば、そこに含まれる他の2年のデータも増加してみえる。
例えば、図2での83年や87年の県平均と同じであったという事実は隠されてしまう。
(3)図1のグラフは93年で切れている(3年平均なので94年までの値までしか使っていない)。94年や95年などの値を使わなかったのはなぜか?


図2から推測できるように、3年平均した94年値や95年値を用いていまうと、死亡率の高い82年から94年までが「平均を少し外れた時期」にみえます。そのため、死亡率の上昇傾向を主張するのに、都合の悪い94年、95年値を省いたとしか思えません。 😡

94年から96年にかけて産廃焼却量はほぼ倍増しているのに、新生児死亡率は逆に半減しているため、95年、96年の死亡率の値を無視する必要があったのでしょう。

ちなみに、産廃焼却量が最大であった96年の死亡率は、県平均や全国平均(図3;参照)よりも低くかったという事実もあります。



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図3.全国平均でみた新生児死亡率


つまり、所沢周辺の新生児死については、これらデータからダイオキシンやゴミ焼却との関係性は認められず、死亡率の上がった形跡はどこにも見えません。
まずは、グラフの意図や方向性を決め、そうなるように意図とは違うデータを隠し、加工しているのです。

いくらダイオキシン法を制定したいからと言っても、この事実を歪められた報道によって、引っ越す人、中絶する女性、妊娠をさける夫婦までいたのです。

これら問題を引き落とした=罪の無い人々を傷つけたことを埼玉NGOやマスコミ、うらで手引きした者は分かっているのでしょうか?

ダイオキシンについて見てきましたが、心無い学者やマスコミの影響によって多くの人々が不安に陥れられ、一部の者が利益を得るような構造は多々あると思われます。
環境問題もお題目として使われ、不安意識を煽ることによって、都合の悪い根本原因から目を逸らさせる。そして、表面的な問題に焦点を合わせているような気がします。

そして、一部の利益を得る業者などはさることながら、それらを助長させている心無い学者・研究者事実検証もしないマスコミ犯罪性も見逃すことはできません。

<参考文献>

 ・ダイオキシン(神話の終焉)/渡辺正、林俊郎/日本評論社


長文にお付き合い頂きありがとうございました m(_ _)m

by 村田頼哉





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