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遺伝子組み換え作物の問題とは(1)

世界で作られる遺伝子組み換え作物はとうとう1億ヘクタールを越えました。
栽培面積が一番大きいのは米国で、次いでアルゼンチン、ブラジル、カナダと続いています。

最も広く栽培されているのは大豆で、全体の57%。次いでトウモロコシワタナタネとなっています。
現在の遺伝子組み換えの主な目的は、除草剤への耐性を持たせること、次に害虫への耐性を持たせることです。
日本では約97%大豆を輸入していますが、そのうちの75%が米国産で米国産の約50%が遺伝子組み換え大豆です。
つまり日本の約4割の大豆が遺伝子組み換え大豆です。
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↑遺伝子組み換え大豆

遺伝子組み換え作物の安全性には様々な議論がありますが、
石油枯渇⇒バイオマスエネルギーへの傾斜など農産物への市場期待の高まりを受け、
遺伝子組み換え作物は米国主導に容認される潮流にあります。
自然の摂理と共に暮らす歴史の長かった日本では、遺伝子組み換え作物に対する疑問視 はまだ強い方ですが、
米国圧力のもと日本でも容認する潮流が出てきています。

改めて遺伝子組み換え作物とは何なのか?
色んなサイトからの引用も借りながら、何回かにわけて整理していきたいと思います。


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まず前提として、植物や動物の進化や変異とは、大きく見れば
環境(外圧)変化による突然変異
交配による遺伝子組み換え
の二つのパターンが自然界には存在しています。

しばしば遺伝子組み換え作物(以下GM作物と略します)と育種(品種改良) [1]は混同されがちですが、
育種とは長い年月をかけ自然環境を意図的に作り出し、交配を持続的に重ね合わせる事で変異を促した方法であり、
あくまでも上記の 自然の摂理に則ったもの といえます。

それに対しGM作物とは強制的に遺伝子そのものにメスを入れ変異させる全く新しい方法で、
自然界のあらゆる生物には全く存在しない方法です。
つまり、GM作物とは自然の摂理に則ったこれまでの生命原理を越えた産物である事
をまず認識しておかなければなりません。

また、自然の摂理下での遺伝子変異はある特定の遺伝子が変異するだけでなく、
新しい外圧に全体が適応するように他の遺伝子群や相互関係も同様に変異します。
GM作物は遺伝子そのものにメスを入れる訳ですから、人体の手術の様に一定の全体メカニズムが解っていなければ本来出来ませんが、
遺伝子の全構造やその働きが明らかなのは、大腸菌、酵母菌、線虫くらいで、
その他は殆ど解明されていません。
(塩基配列が解明できても、実は因果関係、機構構造まで全然解明できていません)

つまりGM作物の問題点の一つは、
設計図も構造認識もないままに闇雲に遺伝子を組み換え、運良く得られた作物の経過を見ながら問題点が出なければOK
、という場当たり的で運任せの方法です。
故に短期的には問題がないように見えても、長期的にはどんな問題が生じるかは実は誰も知らないという事です。

もっとはっきり言えば、
他の作物や生物への影響など、自然界も含めた摂理がどうなるかについては無関心 👿
というのがGM作物の実態です。
(むしろ直感的にはGM作物による弊害が生まれれば、それを新たな金儲けの手段とする可能性が高いと思われる)

では具体的にはどんな方法でGM作物が作られているのか?
Suzukiさんの遺伝子組換技術の原理 [2]の投稿も参考にしながら、改めて次の記事に書いてみたいと思います。
次回につづく・・

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