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医食同源とデザイナーフーズ・・・大豆の実力と日本人の食生活

東洋には「医食同源」と言う言葉があります。中国で不老長寿の道を深く突き詰めたところに生まれた言葉です。「医(薬)も食(食物)も源は同じ」、すなわち薬は健康を保つ上で毎日の食べ物と同じく大切であり、美味しく食べることは薬を飲むのと同様に心身を健やかにするという思想です。この考え方は韓国や日本にも伝わり今日も残っています。
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薬と食物が同じものから出ているのなら、個々の食物にもそれぞれの効能があり、その効能を引き出すのに適した調理方法があります。この考え方に基づいた料理が「薬膳」です。薬膳には漢方薬(になる食材)を使った料理が多いのですが、食材が本来持っている効能を十分に引き出し、バランスのとれた食材の組み合わせによって効能を倍加させるように調理・工夫された料理も立派な「薬膳」です。
「医食同源」「薬膳」は古くから東洋で使われている言葉ですが、西洋にも「デザイナーフーズ」という言葉があるのです。
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さて「デザイナーフーズ」とは奇妙な(いかにも人工的な)名前ですが、「天然の植物中に存在するがん抑制作用のある成分を主体にして、がんを予防する効果が発揮できるようにデザインされた食品」のことです。
1990年に米国の国立がん研究所は「デザイナーフーズ・プログラム」という5年計画のプロジェクトを発足させました。そして過去約10年間の疫学調査でがん予防効果を示唆する報告が得られている約40種類の食品がピラミッド型の図で示されています。
designer_foods.gif
参考:http://www.kokufun.co.jp/designer_foods.html [2]
市場時代に数多くのジャンクフードを生み出し、世界へ輸出してきたアメリカもようやく食生活を見直す必要に迫られたということなのでしょうか。
そのピラミッドの頂点にニンニクなどと並んでいるのが大豆です。大豆は「畑の肉」ともいわれるように良質のたんぱく質と脂質を持ち、栄養バランスがたいへんよく、いろいろな病気を防いだり、老化を抑制するなどの機能性食品として知られています。しかし、消化吸収が悪かったり、煮えにくく調理に手間がかかるといった欠点もあります。その欠点を克服したのが、日本伝統の食品であるみそなのです。
大豆のアミノ酸スコア(100点が最高)は86と非常に高く、ごはん(アミノ酸スコアは65)に不足するリジンというアミノ酸が含まれているので、日本のみそ汁とごはんという組み合わせはベストコンビなのです。 まさしく「医食同源」=自然の摂理に基づいた食生活といえるでしょう。
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米国生まれのジャンクフードに蝕まれた現代の日本人が、自らの歴史の中で長く培ってきた食生活を取り戻す時がやってきたのではないでしょうか。日本には、大豆その他の豆を使った食品、料理がたくさんあります。もう少し日本人の食生活、大豆の薬効について考えてみたいと思います。
by tatikawa

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