こんばんは、yuyuです。
最近、飲料水をペットボトル入りで飲んでいる人って多いですよね。
気が付いたら増えていたって感じですが、一体いつ頃から、使われ始めたんでしょうね。気になったので、ちょっと調べてみました。
■ペットボトルとは
PETボトルの原料は、ポリエチレンテレフタレートと呼ばれる樹脂。
英語でPOLYETHYLENE TEREPHTHALATEと書くため、その頭文字をとってPETと呼んでいるのです。
少し難しい話しになりますが、このポリエチレンテレフタレートは、石油からつくられるテレフタル酸とエチレングリコールを原料にして、高温・高真空下で化学反応させてつくられる樹脂のひとつ。この樹脂を溶かして糸にしたものが繊維、フィルムにしたものがビデオテープ、ふくらませたものがPETボトルというわけなのです。PETボトルは繊維やビデオテープと素材的に兄弟、と言われるのはこれが理由です。
http://www.petbottle-rec.gr.jp/basic/ba_what_f.html [1]
(PETボトルリサイクル推進協議会HPより)
PETは、PolyEthylene Terephthalate の略で、ポリエチレンの仲間であるとともにポリエステルの仲間でもありますので、両者の性質を兼ね備え、透明性、耐衝撃性、ガス遮断性、成形性に優れるためボトルとしては最適の特性を持っており、今後益々その用途は拡大していくものと思われます。
http://homepage2.nifty.com/chasukekun/plastics8.htm [2]
(CHASUKEの部屋にようこそHPより)
PETボトルのリサイクルとしてよく化学繊維製品があげられていますが、同じ原料であるということなんですね。またボトルとしての性能にも優れていることがわかります。
■PETボトルの歴史について
では、PETボトルはいつ頃登場し、普及して言ったのでしょうか?
●PETボトル登場前夜~素材の開発の歴史
まずは、PETボトルの素材の誕生の歴史背景から。
1938年 ICI社[英]が,ポリエチレン(高圧法)を開発。
1944年 ICI社[英]が,ポリエステル(PET)を開発。
1953年 ポリエステルの工業化に成功。
ナイロン66の合成と相前後して,ユリア樹脂(1920年),ポリ塩化ビニル(1927年),低密度ポリエチレン(1933年),ポリスチレン(1935年),メラミン樹脂(1938年)などと,すぐれた性質をもつプラスチックが合成・工業化され,プラスチックの第一期黄金期ともいえるが,開発されたプラスチックは当時おもに軍需用として使われた。エボナイト,セルロイドやフェノール樹脂が,天然樹脂に代わる代替品として,広く一般市民におもちゃや文具などとして使われたのと大きく異なっている。開発当時,第一次大戦と第二次大戦と世界規模の戦争時代であり,天然ゴム,絹や石油など有用な天然資源の貿易が制限されていたためであろうか。
http://www.osaka-kyoiku.ac.jp/~sawada/plastic/timetab.html [3]
http://www.osaka-kyoiku.ac.jp/~sawada/plastic/tanjyou.html [4]
(「プラスチック物語」HPより)
第二次世界大戦時に開発され、開発使用目的は、軍事用であったことが分かる。
●PETボトルの歴史~誕生から拡大まで
さていよいよ、PETボトルの歴史へ。
↓続きが気になる人は、ぽちっとお願い!
PETボトルの歴史は比較的新しく、1967年頃米国デュポン社がPETボトルの基礎技術を確立し、1974年世界で初めて米国の飲料メーカーが容器として採用しました。
日本においては、1977年にしょうゆメーカーが容器として採用したのが始まりです。その後、1982年には食品衛生法が改正され、国内でも清涼飲料の容器としてPETボトルを使用してよいことになりました。1985年には酒類用容器としての使用も始まりました。2002年には乳飲料等の容器としての使用が可能になりました。
1967頃 ・ 米国デュポン社、PETボトルの基礎技術確立
1973 ・ 米国の化学者ナサニエル・ワイエスがPETボトル特許を取得
1974 ・ 米国において炭酸飲料用に使用開始
1977 ・ 日本においてしょうゆ0.5L容器として使用開始
1982 2月 ・ 食品衛生法が改正されて清涼飲料用にPETボトル使用が認められる
・ 日本で耐熱ボトル開発される
1985 8月 ・ 酒類用(焼酎)容器として使用開始
1996 4月 ・ (社)全国清涼飲料工業会が小型PETボトルの発売の自主規制を廃止
2002 12月 ・ 乳等省令の改正により、乳飲料へのPETボトルの使用が可能となる
http://www.petbottle-rec.gr.jp/nenji/2005/p22.html [5]
(PETボトルリサイクル推進協議会HPより)
1967頃に開発されたことが分かる。ちなみに開発した米国デュポン社はというと、
過去には火薬やナイロン製品などを大量に軍へ納入しているほか、化学兵器や核兵器開発に関与するなど、戦争ビジネスで財を築いた死の商人としての側面もある。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%87%E3%83%A5%E3%83%9D%E3%83%B3 [6]
(ウィキペディアより)
http://www2.dupont.com/ja_JP/history/history_02a.html [7]
(デュポン社HPより)
とあるように、かつては、死の商人と呼ばれるほど、戦争におけるビジネスで財を成してきた会社でもあることがわかる。
少し余談になるが、現在フライパンのテフロンコーティングを開発したのもこのデュポン社である。もちろん調理を便利にするためになんかではなく、なんと原爆製造に一役かっていたというのは、ちょっとした驚きであった。
http://homepage2.nifty.com/chasukekun/plastics7.htm [8]
(CHASUKEの部屋にようこそHPを参考に文章作成)
科学技術発達の光と影の部分を見るようだ。。。
で、PETボトルが1974年にアメリカにおいて史上初めて炭酸飲料用に使用開始されたとあるが、その背景はというと、
コカコーラ社とペプシ社が軽量で安全なボトルの開発を競い合った中からこの素材は誕生し、ボトルとして採用されたということがわかった。
http://www3.lib.pref.yamanashi.jp/cgi-bin/refjirei/refs.cgi?c=common&n=27 [9]
( 山梨県立図書館 調査相談デスクHPより)
PETボトルの誕生は市場原理の中から生み出されたことが分かる。
次の1977年に日本での最初のPETボトル採用が醤油の0.5L容器というのは、少々驚きですね。醤油といえば、かつては一升瓶に入っていたものというイメージがあったそうですが、豊かさ追究による、スーパー等の量販店の増加と、核家族化の進行により、小型でより使いがってのいいものを主婦等の消費者が求めていった結果なのでしょう。
http://sts.kahaku.go.jp/sts/detail.php?18=&key=105810661058&APage=774 [10]
http://kiifc.kikkoman.co.jp/tenji/tenji05/pack05.html [11]
で、現在私達が、飲料用として多く見かけるのが500Lクラスの小型PETボトル。
確かに以前は大型のものしかなかったように記憶してたけれど、ある時、急に目につきだしたと思ったら、1996年4月に自主規制撤廃されたからなんですね。その影響はというと、
平成3年度を基準としたPETボトル製造量を、清涼飲料と清涼飲料以外に分けて示したものである。社団法人全国清涼飲料工業会の「小型PETボトルの使用自粛に関する自主規制」が解除された平成8年度以降、清涼飲料用が著しく伸びていることがわかる。
http://www.8tokenshi.jp/data/1111_01_021.html [12]
(八都市リサイクルスクエア データライブラリーHPより)
ものすごい使用量の伸びです。
自主規制解除の裏話として、こんな記事も発見!
「あまりにも使い捨てに過ぎるからとペットボトル業界は500mLの小型PET容器については96年4月まで自主規制していた。ところが輸入の小型PETが氾濫する中、お菓子メーカーのブルボンが自主規制を知らずに(厚生省に何度も日参して)小型PETを売りはじめてしまい、(内心期待していた?)飲料メーカーも自主規制を解いてしまった。当初売らないと市民団体に言っていたスーパーも売り始め、CMも解禁。そして、今や300mLペットの時代?!」
http://www.yasuienv.net/PETLCA2004.htm [13]
(市民のための環境学ガイドより)
う~ん、せっかく規制していたのに、一社の抜け駆けから、一旦市場原理に乗っかると、アッというまにこの状況。
で、その後、現在に至るといった感じでしょうか。
以上から考えて、PETボトルの歴史は、先のエントリーでsyunkatouさんも指摘されているように、’70年の貧困消滅以降の市場原理に乗っかった、消費者の快美欠乏、利便性追究によって、生み出され、そして拡大していったということが分かってきました。
そして一方では、核家族化の増加やさらにはシングル化等、貧困消滅以降の社会やライフスタイルの変化も大きく影響しているのではないかと思われます。
PETボトル増加に対してはリサイクル率の向上等が自治体等でも挙げられていますが、こうしてPETボトルの歴史をみていくと、より根本では、私達のライフスタイルや社会のあり方自体の見直しがPETボトル問題に関しては、不可欠であることが明らかなのではないでしょうか。