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ダムは本当に必要か?-2

前回 [1]に続いて、「大雨時には森林の保水能力は期待できない?」「渇水時には森林が不利に働く?」を検証。
改めてこの根拠になっているデータ [2]を見てみると、一連降雨量が100㎜弱を超えた辺りから【降雨量=流出量】になっている。つまり大雨時には森林に水は蓄えられていない、という訳だ。
しかしこのデータで本当に森林に保水能力がない、といえるのだろうか?
その前に お願いします。


森林の保水能力といっても、もちろん木の根や土壌が飽和状態になれば雨水は外に溢れ【降雨量=流出量】の公式になるのは当たり前。しかし鈴木さんも言われているように現実の災害を考えれば、大雨 が降り出してから土壌が飽和状態になるまでの時間差があればあるほど、その間に逃げる などの対策ができる余裕が生まれ被害を最小限に食い止めることもできる。
また大雨による被害は洪水よりも土砂災害による被害の方が大きい。その為の治山や砂防を考えれば、適切な混交林を追求し、適材適所に治山と手入れを行い土壌の安定化をはかることは非常に重要である。そういった現実的視点に立てば、大雨時にも森林の能力は期待できると思われるのだが。
北澤秋司氏のインタビューに [3]なるほど~と思うコメントが書かれていますので、こちらも見てみて下さい。
で、次の「渇水時には森林が不利に働く?」になるのだが、ここは以下の連山 [4]の論に賛成だ。

たしかに、無降雨日が長く続くと、森林の樹冠部の蒸発散作用により、森林自身がかなりの水を蒸発させてしまい、河川流量が減少する。しかし、蒸発した水はまた雨となって降ってくる。逆に、森がなくなれば、無降雨日はもっと長くなるだろう。陸地にある水をすぐに海に流してしまうことを防ぐという点で、森は緑のダムとして機能している。

森林での蒸発散量は全体降雨量の約40%と北澤氏はコメントしている。
もし森林の蒸発散が減れば、河川や海からの蒸発散が雨雲形成の源になる。
しかし現在は日本列島の沿岸部がヒートベルト化しており、海洋からの湿った空気が沿岸部で上昇気流を起こし大雨を降らしている。
逆に内陸部には湿った空気が届かず乾燥化を起きている可能性もあるのだが、内陸部で森林が減少すると内陸部での乾燥化がいっそう促進され無降雨状態をもっと招く事になるのではないか、と思われる。
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以上、脱“緑のダム”を推進する国交省の論理のおかしさを見てきたが、そもそも水害をそこまで否定視 👿 するものなのだろうか?そりゃ~こんな急な河が多い日本なんだから時には氾濫もする事もある。氾濫を前提にした水 との付き合い方もあるのでは
そんな内容を次回は書いてみたいと思います。   by nannoki

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